『バオバブの記憶』という映画を、見ました。
監督さんは『アレクセイの泉』と同じ本橋成一さん。
西アフリカ・セネガルの村の暮らしの、ディテールのひとつひとつが、こころに沁みました。
青空の下でお料理。青空の下で、大きなボウルを囲んでみんなで食べるごはん。
朝のお風呂も、午後のお茶も、お昼寝も、珍しくテレビを見るときも、全部、空の下。
干した葉っぱの加工や、杵での脱穀作業、農作物の植え付けや収穫、牛追いなど、いろんな仕事も、みんな、空の下。
子供たちがすもうをとったり、枝で木の実を落としたりして遊ぶのも、もちろん、大空の下。
まるで、お空が、屋根のよう。
そして床は、きれいに葉っぱやごみを取り除いて、掃き清めた地面。
そうやって暮らす人たちを、バオバブの木は、ずっと守ってきたみたいです。
よじ登られたり、皮を剥がれたり、実を落とされたり、葉っぱを刈られたり、いろいろされても、おおらかにそこにいて、バオバブの精霊は人にやさしいのでした。
* * *
アワさんというお母さんが、とてもすてきでした。
ふくよかな体つきで、いつも、黒い肌に映えるカラフルで心地よさそうな服を着て、頭にもおそろいの布を巻いて、
大家族のごはんを作っているときも、気の合う第二夫人と一緒に歌いながら花摘みをするときも、双子の子供たちをゴシゴシ洗ってお着替えをさているときも、祭りの踊りの輪に入っているときも、いつも、おおらかに笑っているのでした。
祭りでは、2人の女性が向き合って踊るときの迫力が、まるで闘いをしかけているかのように見えたりしたんだけれど、アワさんの踊りはまったく朗らかで。。。
(写真ではすこしわかりくいけど、右端の白地の服を着ているのがアワさん)