2015年05月16日

ほっとする

Img_9512GW明けは仕事に明け暮れる怒涛の日々になってしまって、やっとしずかな日常が手元に戻ってきた、本日。待っていましたよ、という感じです。。

昨日、野口整体の個人指導を受けて、からだの芯というか、こころの奥というかが、ほっとしたというか。

それと、この対談記事を今朝たまたま目にしたことも大きかったです。

トーベ・ヤンソンさんの伝記を訳した森下圭子さんと、重松清さんの対談。http://www.1101.com/tove_jansson/

いろいろ、うなづきうなづきした部分ありました。そのうちのひとつ↓

森下       ちょっと天気が悪くても心が弾んでたら、
わたしは多分、街路樹の中の緑を探して、
それを語っていたと思う。
ただ、トーベ・ヤンソンにはそれがないというのが、
ずっと感覚としてあったんですよ。
彼女が書く森は、わたしにもその森全部が見えてきて、
森が生きているのが感じられる。
自然は、自分の気持ちを託したりとか、
自分が何か利用するためのではないんですよね。
極端な自然の中にいるとそれがわかる。
自然があまりにも圧倒的過ぎて。

重松 ムーミンの物語って、洪水から始まり、
彗星は来るわの、いわゆるカタストロフですよね。
花鳥風月とかじゃない。
心理や情感を託せる相手としての自然ではなくて、
それは圧倒的なものとしてある。

森下 そうです。それにみんな笑っちゃうぐらいに
巻き込まれていって。

重松 そうそうそう。
ぼくはムーミンを最初のアニメで知った世代だから、
スノークのお嬢さんはあくまでもノンノンなんですよ。
ぼくにとってはね。
色もピンクなんだよ、彼女は(笑)。
毎週日曜日に放映されたアニメでは、
「毎度おなじみムーミン谷で事件が!」、
そういう世界観になるわけ。
ところが、原作には、みんな、
あまりいないんだよね、ムーミン谷に。

森下 そうなんですよ!

重松 けっこう島に行ったり、
最後にはまったくいなくなってるんだもん、本人たち。
『ムーミン谷の十一月』なんて。

森下 本人たちがいないんです(笑)。

重松 最初のアニメ世代には
牧歌的なムーミンと愉快な仲間たち、なんだけど、
原作のほうを見るとね、自然は激しいわ、
それに翻弄されて、
生きるものたちが小さな存在であることや、
あるいはお父さんもお母さんも
精神のバランスを崩しちゃったりと、
すごく不安定だというのを実感するんだよね。

森下 で、それに驚くほど、
みんなが抗(あらが)わない。

原作のムーミンはほんとに読み応えがあるし、原作のムーミンワールドはほんとに多様な存在がお互いを許し合って(ときに呆れあって)、そこにいて、わたしにとって、やさしい世界です。

どの存在も、それぞれのでこぼこさがありながら、そこにいる。晴れの日も雨の日もあって。

* * *

Img_9574 元気が少し出てきて、久々にお菓子をやきました。キャンプでやりたいな、と思っていた、甘夏の皮をカップにして焼くマフィン。

中身はてきとうに、大豆粉と小麦粉とマヤナッツとお塩、お砂糖、レーズン、甘夏の実。オーブンで焼いてみた。

Img_9580 みかん風味いっぱいのマフィンになりました♪

食べるとき、カップの皮からきれいにはずれるので、このカラカラに焼かれてパリッとなった甘夏皮カップは、今度はお皿などの役割もできそう。

キャンプではだいぶん重宝するんじゃないかな。。。

* * *

Img_9511 Img_9510 桜の剪定枝から削ったジャムすくいも、今日完成。瓶の底にぴったりフィットする形のものが欲しかったので、つくってみた。

先端の形はジャム瓶によって決まったけれど、他は手の中でなんとなく決まっていきました。木目の流れ、節のおかげさまももちろん。。

どんなものになるかわからないまま削るのが、やっぱり楽しい。

わたしの場合、今のあるがままを、肯定すると、それがどんなにひしゃげてても、どんなにやばくても、一瞬ほっと安心感がくる。。すべてあるがままでいいんだなって思うとき。

この安心な場所から、動き出すってことをおぼえたいな。。。

posted by な at 19:30| Comment(0) | おいしいもの

2014年06月28日

精神安定剤=手を動かすこと

このところずっと、仕事がたくさん立て込んでるのだけど、モチベーションが下がってきていて。。。朝起きぬけの不調も激しくなってきたので、自分の手当てが先行だ、と早めに対応することにしました。

そんなわけで、忙しさのせいで脇にやられていた各種手仕事を再開しました。

20140626_104359 20140626_113325 おとといは、まず、つばがへにょへにょでかぶると目かくし状態になってしまう、ヘンプの帽子のお直し。

単純なことですが、手元にあった茶色のワイヤーをへりにそって通してみたら、しゃきっとしました(左:ビフォー、右:アフター)。使える帽子に変身しました :)

使いづらくて放置されていた期間が長かっただけに、感慨深いです。作業は3,40分かかりましたが、その間、網戸を隔てて猫の(さ)がすぐそこにいてくれて、うれしかった。にゃみちゃんがそばにいてくれた頃みたいだ、と一瞬思いました。

すきな猫と同じ空間を共有しながら手仕事をするって、最高です。

* * *

20140627_124415 昨日は、冬にほぼ編み終わって、あとはつま先の処理だけ、というところだった、ウールの靴下を仕上げました。つま先の処理は、メリヤスはぎ、というのをします。編むのがすきで、はぐのは今ひとつすきでないので、はぐ前のところで数カ月放置してしまってたのでした。

でも始めると、はぐのもなかなか楽しいもんです。20140627_123810

ついでに、去年相方が愛用してくれてさっそく大穴のあいたウールの靴下のお直しもしました。これは過去にもアップしたけれど、Cookieさんという方の糸を足して編んでいくやり方で。

1.穴の下の、ほつれのない段の、目の右足を棒針に拾っていく
2.継ぎ足しの糸で表編みをしていく
3.穴の端まで表編みしたら、糸の端に針を通し、その先数目をメリヤス刺しゅうをしながら進み、メリヤス刺しゅうをしながPhotoら穴の縁までもどる(メリヤス刺しゅう=図、Killer Crafts & Crafty Killersさんサイトより)
4.ひっくりかえして、棒針に持ち替えて、裏編みでもどる
5.穴の端まで裏編みしたら、針に持ち替えて、その先数目はメリヤス刺しゅうをしながら進み、メリヤス刺しゅうをしながら穴の縁までもどる
6.穴の上のへくるまで、3,4,5を繰り返す。
7.穴の上のほつれのない段の目の右足を棒針に拾っていく
8.針に持ち替え、上下の棒針にかかった目をメリヤスはぎにする
9.継ぎ足し糸の両端を周囲の目にくぐらせて処理する

まだメリヤス刺しゅうの部分がぎこちなくなって、スマートにいかないけれど、穴は閉じられました。

20140628_141741 20140628_141904 表から見た図(左)。裏はこんなふう(右)。

もう片っぽの靴下も、すぐ穴があきそうなくらいまで、糸がうすくなってるところがあったので、そこの部分に同じ糸でメリヤス刺しゅうを刺してみたら、こちらはどこをお直ししたかわからないくらいの出来☆ 20140628_142056

穴のあく前に、うすくなってきたところでこれをやるほうが、スマートなようです。早めの対応が吉なんだな。

* * *

20140628_134308 今日はなんちゃってロータルトを作ってみました。

うちはガスオーブンなので、オーブンを使うとキッチンが暖かくなって冬場は暖房がわりになってよいのだけど、夏には暑い(汗)。ので、火を使わないタルトを作ってみたかったのでした。

20140628_134937_2クラストは手抜きして、ブルボンの五穀ビスケットをくだいたものに、マヤナッツパウダーと、玄米甘酒を混ぜたもの。これをぎゅぎゅっと型に詰めて、冷凍庫で小一時間冷やし固めます。 

20140628_120237_320140628_132002フィリングは、カシュークリーム。生のカシューナッツを30分ほど水にひたしてふやかしたあとすすいで、新しい水と一緒にミルサーにかけたもの。最後にメープルシロップをひとさじ加えました。これ、初めてつくってみたけど、メープルシロップとかの甘みなしでも、ナッツの甘みがあって、おいしいです(と自分は思った)。

型にフィリングを入れて、キウイ半分をスライスしたのをトッピング。フィリングがわりとやわやわだったので、再度冷凍庫に少し入れて固めてから食べました。

20140628_134456 なかなかに、おいしかった。。。

クラストは砕いたビスケットに無塩バターを混ぜるつもりでいたのだけど、冷蔵庫の奥のほうにしまいこんだ無塩バターをとりだそうとしたら、その手前に、食べ残してたマルクラの玄米甘酒が目につき、とっさにこれでやってみよう、と思い立ったのでした。実験クラスト。悪くなかったです!

なにより、火をつかわずにタルトが作れたのが、ナイスでした。冷たい食感も、夏にはよいかも☆

* * *

20140617_113424 これは少し前のことですが、はじめてのサービングスプーンを作りました。4月にイギリスのいなかの森で、グリーンウッドワークというのをやっているMike Abbottさんという方を尋ねて、ワークエクスチェンジをさせてもらったとき、助手のJo-joさんから、ナイフの安全な使い方と、スプーンづくりの手ほどきをちょびっと受けることができたのです。

20140528_175917_3 20140528_175909_3その森で拾った木切れで、相方が粗削りまでをやって、そのまま続きをやる時間がなかったのだけれど、6月に結婚するともだちに贈りたいと思って、仕上げまでの成形はわたしが、仕事の合間に少しずつ作業しました。

使ったのはスウェーデンナイフ1本です。左手の親指に豆ができました。豆できるの、久しぶり。豆が痛いのもうれしいくらい、作業は楽しくて、やりだすとなかなか止まるのが難しかった。。。

おさじのくぼみ部分もナイフでかなりいけましたが、最終的にはここだけ彫刻刀(丸い歯の)を使いました。

20140616_155122サンドペーパーをかけて、水洗いして乾かし、毛羽立ちをチェックしてもういちどサンドペーパーをかけ……というのを3回繰り返して、成形は終わり。

最後は食用の亜麻仁油を塗り、乾かして完成です。亜麻仁油を塗ったら、色がぐんと変わったのでびっくりしま20140617_112930した。

柄がかなり妙なアングルになってしまったので(木目に沿ったらこうなった。。。)、使い勝手がどうなんだ???と疑問は残りましたが、あげたいと思った人のことを思いながら作ったので、もらってもらってしまいました。

食卓でどんなふうなのか、どきどき。。。

* * *

手仕事は、自分にとっては、精神安定剤のようなものだと、自覚するに至りました。編み物や針仕事をしているととにかく心が休まるし、木をけずっていてもそう。

羊毛をくれたひつじたちや、木切れをくれた木や、編み針をくれた竹や、ナイフをくれた鋼、亜麻仁油をくれた亜麻。みんなに感謝です。

posted by な at 15:44| Comment(0) | おいしいもの

2010年12月17日

お米と新年

Img_7039ともだちが、今年、田んぼを初めてやりました。20代の、きゃしゃでちょっと物静かな女の子と、同じくひょろんとした男の子の2人で、2人ともほかの仕事をしながら、仕事に行く前や帰った後、週末などに作業をして、いろいろわからないことを年配の農家の方たちに教えてもらって乗り越えながら、友人知人にいろいろに手伝ってもらいながら、なんと7反の田んぼで、無農薬で、立派なお米をつくったのでした。

(追記:「食べもの」をつくる、という営みについて、自分で体験して感じて、知って、考えていきたい、と思ったのが動機だったみたいです。それにしても、やることのスケールが大きくてすごい。。。1反とは約1000平方メートル、つまりおよそ縦30m×横30m。その7倍の広さ。。!)

秋にそのお米をわけていただいて、箱に入れて、届けてもらっていImg_7036ました。

ラベルも彼らのてづくりで、カエルの写真、田んぼの写真などのコラージュがしてあって。田んぼとのかかわりが、ほんとに楽しかったんだなぁと、伝わってきます(たいへんなことも、いっぱいだったろうけれど。。)。

7反の広さの5枚田んぼ、1つ1つににんげんの名前みたいな名前をつけてたそう。うるち米の収穫前は、刈り取ってしまうのがさみしくて、最後の晩はお弁当をもって田んぼに行って、ゆれる稲穂の前でおゆうはんを食べそう。

そんなふうに、愛されて、かわいがられて育った、お米たちを、食べはじめたのは、相方がひよこ豆カレーをつくってくれた日でした。

一口食べて、「このカレーは、我が家史上いちばんおいしい!」と思いました。すごいー上手ー!!と、いたく感心したのだけれど、そのあとで、「いやこれは、カレーもおいしいけど、このおいしさはごはんのせい?」と思い至りました。

Img_7206 で、ごはんだけ食べてみると、これがまた、おいしい。。。。。。

正直、お米の味がそんなに違ったりするものだと思っていなかったので。。(←世間知らず)

ともだちのつくったお米だから、ということを差し引いても、ものすごくおいしいのでした。以来、「炊いたお米そのものが、ごちそう」状態が続いていて、しあわせです。

* * *

田んぼで、最後のもち米の収穫作業を終えて、ひと段落ついて、ちょっと頭の換気をしたいということで、その(ま)さんが先日、遠方から遊びにきてくれました。

農業をしている人は、収穫の後、冬に旅に出る、というイメージありますが、ちょうどそんなふう。

で、一緒に、『人間はなにを食べてきたか』というシリーズもののDVDの「お米編」を見たらば、

お米を伝統的につくってきた文化では、村の家々が全部、お米の収穫を終えたその次の日が「新年」、となっていました。なので11月のどこかで新年がやってくる、というふう。

で、新年がくると、数日から1週間くらいを、食べて、遊んで、祈って過ごして、そのあとまた翌年の作業が始まる。。。循環の文化の中の、節目ということが、よく伝わってきました。

11月に新年。昔は、この島でも暦と農が完全に結びついていたのかな。。?

お米と新年のかかわりを感じつつ、2011年は、(ま)さんたちが育ててくださったもち米をいただきながら新年を迎えよう、と楽しみに思っています。

* * *

(ま)さんたちのつくったお米、まだおわけできるそうなので、興味あるかたは、ご連絡ください。白米、5分、玄米から選べます。右の「メールフォーム(ご連絡はこちらから)」に書いていただけたら、折り返しメールでご案内さしあげます☆

お歳暮の習慣はないけれど、お年賀は毎年実家や親類に持参するので、今年は(ま)さんのもち米を贈りたいなぁと思っているところです☆

posted by な at 23:14| Comment(0) | おいしいもの