本日は夕方に仕事の納品が完了!ちょっとストイックにがんばったので、ごほうびに佐野元春さんの新譜をかけています。「MANIJU」。裏誕生日おめでとうといって相方がサプライズでくれました。裏誕生日プレゼントって初めてもらいました。うれしい :)
コヨーテバンド、たまりません。。。リズムセクションといいギターといい鍵盤といい。。うう。
魂の食べ物を、いっぱいいただいてるようなこのころで。ほんとにおかげさまです。
こないだ行った坂口恭平さんの個展は、特にすごく元気のもとになっていて。おとといまたお邪魔して、少しのあいだ絵を見せていただきながらうたを聴かせていただいて、また充填してきた感じで、おかげさまで、少し前のわたしならすぐぐらんとなってたような知らせを聞いても、芯から揺らぐことなく居られています。ほんとにありがたい。。
写真3枚は、2度目に行ってやっぱり気になった坂口さんの絵たちの一部。ほかにも1ダースほど、お気に入りが。。。絵も好きなように写真撮っていいし、うたも録音して楽しんでいい、と言ってくださって、なんかほんとにすごい。。しあわせです。
個展は30日までやってます、新橋キュレーターズキューブ。買った人はその場で持ち帰れる、というすごい個展。。。持ち帰られてもまだあふれるほど絵があって。
なんと、相方は2度目の訪問で坂口さんの絵を、買ってしまいました!絵を買うって、相方にとって初めてのこと(私にとってももちろんで、わが家にとって今年の一大ニュース。。!)。相方は帰り道、満面の笑顔で「大きな買い物をしたのに、ぜんぜん後悔がないよ、うれしいばっかり」と言いました。いつもは大きな買い物をすると、後でちょっと後悔するとかいろいろあるらしいのだけど、今回はそれがぜんぜんない、と。
とにかくうれしそうにおゆうはんを食べていました。そして新橋から東京駅まで、絵を抱えて一緒に夜道を散歩しました。皇居のお堀のわきをずーっと、夜に歩いた、初めて。涼しい夜で、とてもピースフルでした。車は横でいっぱい走ってるのに、静かでした。
絵を買う、という、そんな余裕がわが家の家計にあったっけ?と思うのだけど、今回改めて、これは家計とは直接関係ないんだと思い至りました。
というのも、今回のことのおかげで、今年の1月に旅立った、相方のお父さんについて、新事実がわかったのでした。相方のお父さんは、絵が好きで、家の中の壁の絵やタペストリーを季節ごとに掛け替えていたのもお父さんだし、書斎の扉にはいつも絵の切り抜きが貼り付けてありました(これもそのときどきの、好きな絵を貼っていて、かなりの頻度で入れ替わっていました)。
つつましい生活をしてた方だったから、複写や切り抜きで楽しんでらしたんだと思ってたけど、実は若いうちから思い切って絵を買ったりしていたことがこのたび判明。しかも1点じゃないらしかった。。
そして相方の母方のおばあちゃんに至っては、好きなある画家の絵をいくつも買って、孫1人1人に残してくださっていて。こちらのおばあちゃんは、夫をはやくに戦争で亡くして、3人の子をひとりで育ててこられて、生活はぜんぜん楽なんかじゃなかったのだけど、子供たちが巣立った晩年には、民藝の生活道具や絵にたくさん気持ちを注いだようでした。生きておられたら、会いに行きたかった。。
そんなわけで、アートを買うのはお金持ちの人、と思ってたのに、ぜんぜんそうじゃない例が、身内に2人もいたのでした。。。
そして、わたしの家系は違うなー、と思ったけれど、考えてみたら、ひいおじいちゃんが一枚岩をでんと置いて墓石としていたうちのお墓の一角には、長いこと、親類縁者でもなんでもないある画家の人のお墓が入っていたのでした。
わたしのひいおじちゃんは、それこそ全然お金のない人だったみたいで、服も夏の着物1枚と冬の着物1枚しか持ってなくて、ふびんに思った人が着物をくれたりするほどで、でも着物を貰ったらすぐさま質屋で換金してそのお金でほしかった本を買ってしまったと、本人が書き残した文章にありました。。。そんなだったから、その画家の人の絵を買ったりはできなかったろうと思われるけど、一緒のお墓にするほど仲が良かったらしかった。
前の世代から引き継いでいるドリーミングって、やっぱりあるのかな。。と思ったりしています。そしてそれは家計とは関係ないことがらなんだなあ、と。。
食べていくために家計のやりくりは必要だけれど、魂の食べ物のためにも必要である、というか?
そうだ、そういえば、坂口さんの絵を買うときに、相方が予期せぬことを口走り、そのおかげでわたしも少し坂口さんとお話させてもらえたんだけれど(そもそも尊敬する人と話すのが大変な性質なうえに、いきなりのことで動揺してさらに大変だったんだけど)、そのときにいきなり坂口さんに「詩、書きそう」と言われ。。そのときははてなマークが出まくったけれど、あとになって、相方が「だって、詩集、くれたよね」と言いだして、付き合う前に相方にあげた贈り物が自作の詩集だったことを思い出し。。。さらに、このブログの最初のエントリが詩みたいなものだったことも思い出しました。
それでかなり昔のブログを読み返すことになって、そしたら、10年前にアップしてたブログの中に、魂の食べ物についてのこと、書いてありました。正確には読書感想文(?)なんだけれど、薔薇の芳香は魂の食べ物になるらしいという話で、「からだに食べ物が必要なように、魂には精気が必要で、その精気は、芸術(特に音楽)や芳香や光として摂取できる」と考えていた昔の人のことを書いていた。
魂の食べ物のことも、詩のことも、すっかり忘れていました。(詩のことは、とくにこっぱずかしさから自分の意識にも上げないようにしていたもよう)。
坂口さん、思い出させてくれて、ありがとう。。お金なくても、はずかしくても、自分にとっては大事なことなんだと、思い始められそうな気がしています。向こう側にいる、義理のおとうさんにとっても、おばあちゃんにとっても、ひいおじいちゃんにとっても、大事なことだったんだと、思い出せてよかった。