2015年06月19日

鳥たちとほたると、夜のクラフト

20150521_113536 鳥の声についての勉強をちょこっとかじりはじめたら、家の中にいるとき外から聞こえてくる鳥の声が、今までとちがう。。。ひと声ひと声、あ、いまのはだれがどんな感じでないたのかな、と考えるし、かんしゃくをおこしたみたいに鳴いている声に、なぜだかむしょうに嬉しくなったり。

ばくぜんと「鳥の声」というふうに聞いてた声が、いまやいろんなバラエティとバリエーションで展開していて。そして家のまわりになんとたくさんの種類の鳥たちがいるかがわかる。。。世界はこうやって豊かになっていくんだなあ。ふつうの住宅街の一角でも、やっぱりここは自然の中なんだと実感する。

そして自転車で川沿いを上流に走って行くと、ほたるのいる谷戸もあって。先日相方が大急ぎで仕事から帰って来て、今夜ほたるを見に行こう、というので、自転車のタイヤに空気を入れて、川沿いの暗い夜道を、片道小一時間、走りました。

毎年おじゃましているこの谷戸には、ほたるを保存するボランティアのおじさんたちが、小道沿いに竹のキャンドルランタンをともしてくださっています。谷戸のエリアに入ってすぐ、ほたる、いました。

ふわふわ飛びながら、長い息で呼吸するように、ふーっと明かりを灯しては、消すのでした。じっと見ていたら、どうも、ぐーっと加速して飛ぶあいだは明かりを消している事が多くて、空中で一休みするときに灯す感じ。飛びながら灯すときは、ぐーっと加速する飛び方ではなくて、ふわあと飛ぶ。

そして二匹がくっついたり。木の枝先の葉っぱの上でずーっと休んでいるほたるもいました。休みながら、ときおり葉っぱの陰で光るのでした。

かえるの大合唱をききつつ、ただそこに立って、ほたるたちに、今日はこんなに楽しい想いをさせてもらっています、ありがとうね、と心の中で言ってたら、そのうちにすごくそばまで飛んでくるほたるが表れて。わたしの右足首にとまりました。

後で思うと、右足首には自転車に乗る時のリフレクターをつけっぱなしにしていたからかもしれなかった。なにも反射する光のない暗がりだったから、リフレクターは光ってはいなかったけど、ほたるとしては、「これはどうやら光りそうだぞ、なんだろな」と興味をそそられたのかもしれないです。

あっという間に一時間くらい経っていて。また自転車を走らせてもどってきて、おそいお夕飯をたべました。相方はかえるの声がなによりも好き、という人でもあるので、ほたるとかえるの両方に会えて、ものすごく満足だったようでした。

あまりしゃべらずに、じっとかえるの声をきいて、暗がりの中をほたるの光だけながめていたら、耳も、目も、それから気持ちも、なんだか休まりました。

* * *

涼しいうちに仕事をこなしておこうと、がんばった今週だったのだけど、今の仕事はスプリントではなく、マラソンのように、たんたんと進めるタイプのものだったので、夜には息抜きをしたりしつつやっていて、昨日は仕事を終えてとつぜんひらめいて、夜のクラフトタイムに突入しました。

懸案だったスプーンナイフのシース(カバー)をつくってみた。フィンランドでつくっていただいたスプーンナイフは、これまで、まともなシースもつくらず布でぐるぐるまきにしていたので……。

20150618_222720 20150618_225257 木工愛好家の皆さんが、スプーンナイフにどんなシースを手づくりされてるか、ネットでいくつか画像を見てみたあと、手元にあった、お役御免になったバブーシュの甲の部分だった革(比較的きれいだったから、何かに使えるかもととっておいたもの)を手にもって、こっちを折ってみたり、あっちを折ってみたりしていると、あらなんと。このスプーンナイフにジャストサイズのシースが表れたのでした!20150618_23064920150618_23070820150618_231619

こんなにジャストサイズとは、びっくり。

先端をちょこっと縫って閉じ合わせて、あとはくるっと巻きつけるだけ、という簡単工作。あっという間に完成です。

さすがに毎日履いて、底が抜けてお役御免になったバブーシュだったので、一応殺菌(?)のつもりで、アルコールとゼラニウムのエッセンシャルオイルを含ませた布で、拭いて。

これで古いバブーシュもすっかりアップサイクルされて、スプーンナイフにもしっかりしたシースができて安心になりました♪

木工に関心が出てから、刃物についても、はじめて知ることばかりで、学ぶことが目白押しで。とりあえずここまでのところ、刃物の刃は、とってもデリケートだと知りました。ちょっとかたいものにコツンとさわっただけで、鈍くなっていく。。鈍くなった刃物は、より力をいれて使おうとしちゃうから危ないし、削った木の表面も美しくなくなるし撥水しにくくなる(よく砥いだ刃物でつるっと削った表面は、水もつるっとはじかれて、滴がすべり落ちていく)。

でも砥ぎはあいかわらず難しくて(汗)、大工道具館の砥ぎ講座で教わってきたことを、なかなかやれずにいるので、まずはせめてシースで刃先を守ることくらいはちゃんとやろうと思いました。

Img_9375 Img_9376 イギリスのMikeさんのところで椅子づくりを教わったあと、譲っていただいたドローナイフ(銑)には、以前、SPF材に切れ込みを入れて簡易シースをつくったのだけれど、これも、こんなんでいいのか。。。という疑問が。。。

砥ぎは、どうも刃をもっとひどい状態にしやしないかと怖がって腰が引けてしまうのだけど、アイルランドのグリーンウッドワーカーのAlison Ospinaさんも「砥ぎは怖がらずにどんどん実験するといいよ!」と書いてらしたし、大工道具館の北村さんにも、安い道具で練習をたくさんしたらいい、と言っていただいたので(安もののカンナとノミしか持ってない私にお心遣いくださったのもあったと思うのだけど)、ここはひとつ、がんばりたいところ……。

暑くなって心身が働かなくなる前の、涼しい今は、手仕事にいい季節だし! 

2015年02月24日

うれしいこといろいろと、海岸林のクロマツのこと

20150221_143847 春の陽気が感じられるようになってきました。少し前にまいたルッコラなど葉野菜たちが、かわいい芽を出しています。うれしいな。

そして今しがたお知らせが来て、あきらめていた日本野鳥の会の「野鳥鳴き声講座」に、キャンセルが出て行けることになりました\(^o^)/ うれしいうれしいうれしい。。。こういうところに参加するのは、対人面に苦手意識がある自分にはチャレンジなのだけど、チャレンジ以上に内容が楽しみなので、がんばれます。

興味があると、チャレンジをすっと乗り越えられるんだな、としみじみ思うこの頃。そういえば、少し前に参加した森林ボランティアもそうでした。

グリーンウッドワークに親しみ初めてから、日本の木のこと、森のことをもっと知りたい気持ちが大きくなって、そうしたら目に入ってきたのが、近所の浜からの砂の飛散を防ぐための「海岸林」を整える森林ボランティアでした。

いつもお世話になっているのに、よく知らないままだったこの海岸林についてまず知りたい、と思ったけれど、参加を決めるまでは、ちょっと時間がかかりました。申し込みをするには勇気が要った。。。

20150214_093333 でも自転車で1時間ほど浜辺のサイクリングロードを走ると行ける海岸林での作業だったこともあって、思い切って申し込み、前の晩にお弁当をつくって、朝早起きして、自転車を走らせ向かいました。向かい風だったけど、富士山がきれいでたのしかった。

今回の海岸林のボランティアは「剪定作業」と書かれていたので、庭木の剪定のようなイメージを持っていたけれど、行ってみたら、もっと本格的(わたしにとっては)な間伐作業でした。

20150214_144752 の こぎりを各自持たされて、腰にひもで装着。ヘルメットをかぶって出発した先は、クロマツの森。市の土木事務所から専門の方が指導とヘルプに来てくださっ ていて、ここのクロマツはこの方たちがまつぼっくりから4年かけて育てた苗を、ここに植えて、そして10年くらいたったところです、と教えてくれました。海岸林にはアカマツでもカラマツでもなく、クロマツがいちばん向いているんだそうです。

20150214_134430 今回の間伐は、森全体にもっと光を入れて、一本一本が太く健やかに育つようにしてあげるため。このままだと茂りあった枝葉で暗くなったまま成長が滞って、みんなで共倒れになってしまうから、とのことでした。

地 面から2,30センチのところに受け口という切り込みを入れてから、反対側から切っていき、倒します。まだ径の小さいクロマツたちなので、2人組で。14 年分の時間を切っていくことになったのだけど、切られてしまうクロマツから、悲しげな気はなぜか感じませんでした。ここ一帯のクロマツは一体感があるよう に感じられた。思いこみかもしれないけれど。。。

フレッシュな切り口はとても年輪がうつくしかった。それに清浄な、いい香りがしました。輪っかをかぞえると、なるほど14くらいある。そして見てるそばから、じわっと汗をかくように、透明な松脂がにじみ出てきました。クロマツは松の中でも特に松脂が多いそうです。

20150214_141350切 り倒した後、最後に、切り株を地面すれすれのところで切り取る作業があって、そのときに出た2,30cmの丸太を、だめもとで、土木事務所の(ひ)さんに 「これ、記念にもらってかえってもいいですか?」と聞いたら、快く「いいよ」と言ってもらえました。よろこんでいたら、「なに、木工やるの?それならもっ といいやつを選りすぐってもってったらいいよ、ほら、これとか」と別のも差し出してくださり……さらに感激していると、「どうせあとは処分するものだから、すきな だけもっていったらいいよ」とのお言葉が。

びっくりしてしまいました。別の団体の森林ボランティアにの説明を読んだときは、伐採したものは持ち帰れません、とのルールが書いてあったので、まさか好きなだけもらえるとは思っていませんでした…。

お昼休みになって、作業していた隣の敷地にいろんな大木がたくさん チェーンソーで伐採されたまま転がしてあるのが見えたので、「ここの木も、このあとは処分されるんですか?」と聞いたら、そう、処分するのだけ ど、生木は水分があって重いから、しばらくこうやっておいておいて、あるていど乾いてから持って行く、とのことでした。樹種はエノキなど。こんなにたくさんの大木の丸太、欲しい人はたくさんいそうなのに。。。などと思っていたら、「ここのも、 もっていっていいよ」とのお言葉が。

ちょうど、作業をするときの台になる丸太の輪切りがあったらなあ、とここしばらく思っていたので、それはそれはうれしかった!。。。のですが、自転車だし、これほど大きい丸太はさすがに持って帰れない。。

20150224_134510 そうしたら、わたしが自転車で来ていたことを見ていた(ひ)さんは、「どのくらいの大きさの輪切りがいいの?チェーンソーもってきてるから、昼休みのあいだに切っといてやるよ」と! 

うれしかったです。ただでさえ、はじめての間伐作業ができてうれしく、クロマツと、海岸林とに体全体で親しめてうれしかったうえに、おみやげまでいただいて、しあわせでした。

お昼休みには、大学生で結成している森林サークルのみなさんが、海岸林についてのクイズをしてださって、クロマツの根の張り方と地下水との関係など、興味深いことを教わりました。森が大好きな大学生のみなさんは、みんなかわいくて、いいエネルギーが出ていて、日本の森の未来は明るいな、と思いました。それもうれしかった。

20150214_144734 森林サークル以外の大学生もたくさん参加していて、もりもり間伐作業はすすみ、どんどん森は明るくなっていきました。思いのほか作業が早くすすんだので、午後は追加で、枝打ちの作業も少しさせいただけました。

作業は、圧倒されるほどの作業量でない、ほどよい量で、作業時間もくたくたになるほど長くはなく、休み時間もしっかりとるスタイルになっていて、最後まで楽しく気持ちよくできました。朝から夕方まで外でこうやって過ごすのも、気持ちよかった。ボランティアという呼び名になっているけれど、これは緑化のための教育・啓発活動なんだな、と思う。企画してくださっている方々には頭が下がります。

作業のおわりに、のこぎりについた松脂をごしごし落としていたら、(ひ)さんがおもむろにそばにやってきて「これ、荷物になるけど、もうひとつ」と、切ったばかりの桜の小径の丸太をぽんと置いて去って行きました。

ほんとうにびっくり&うれしかったです。クロマツは生木の木工には向かないことを(ひ)さんは当然わかってらしたはずで……マツなんか、しょうがないだろ、と言いながらさりげなく桜をくださったのでした。でも自分で切った記念に、クロマツのほうも、やっぱりいただいてきました。

そうしたら、帰りの自転車旅がすごくチャレンジに……。最初はすいすい走れたのが、だんだん、前かごが重みでゆがんでいき……。どうしよう、と思っていたら、相方がおゆうはんを、この海岸林の近所にある、前から行ってみたいと言っていたネパールレストランで食べたい、と言ってくれて、自転車でそこまで来てくれることになり、最後は手分けして持ち帰ることができました、ありがたかった!

クルマもなく、電動工具もないまま、木工道をなんとか歩み出すことができているのは、この日の(ひ)さんや相方のように、助け舟を出してくださるいろんな方々のおかげです。ありがたいです。

* * *

その後、持ち帰ったクロマツで、なにかつくれないかと調べたら、松脂の多い松を使った美しい工芸があることを知りました。なんでも松脂のおかげで、仕上げに上塗りをする必要がないんだそうです。そして使い込めば使い込むほど美しくなるそうで、器や盆は、松脂の部分に光が透けて、ほんとうにきれい。

クロマツに特化しものは、下田脂松細工と呼ばれいて、静岡におひとりだけ職人さんがいるそうです(指物系)。香川県、広島県にも脂松細工をなさる方がいて、こちらは器なども手掛けていらっしゃるようです。

しかしグリーンウッドワークを松脂の多い松でやるのは、やはり無理だよね、と思っていたところ、松脂で糊をDIYしている人を知りました。

松脂と、パウダー状に砕いた炭を混ぜるだけ。一度くっつくと離れない、強力な糊になるそうです。

20150120_171155 実は、お誕生日の日に届いたアイルランドのAlison Ospinaさんのこの本(『Green Wood Chairs』)に、とてもわくわくしたのだけど、唯一、ホゾ継ぎにPVC糊を使っているところが残念ポイントでした。かわりに松脂糊を使えたらいいな、と思っています。時間ができたらトライしよう…。

でも、もしなににもならなくても、やっぱりこのクロマツの木切れは、愛おしい。机の上にごろんと転がしておくだけでも、十分幸せになります。好きみたい。20150224_135428

次回の海岸林ボランティアも楽しみです。次回はまきついたつるなどを払う作業になるそう。今回間伐したところは、また何年かたったら、さらに間伐することになると(ひ)さんは言っていました。木々の成長に意識を合わせている林業の人は、時間間隔が違いそうだな、とちょっと思った。興味深いです。

2012年08月31日

お別れ

お隣さんが昨日、お引っ越ししました。夕方、お隣さんちとひとつながりになっている庭を歩いて、からっぽになった家を眺めていたら、なんとも寂しい気持ちになりました。お隣さんのお引っ越しで、こんなに寂しくなったのは、初めてかも。

Img_3037 寂しかったのと、たまたま洗濯物が多かったのとで(相方が旅から帰ったばかりで)、今日は洗濯物を庭にいっぱい広げて干してみた。そうしたら、シャツの色が思いのほか楽しくてきれいで、ちょっと元気でました。

それにしても、胸の中に穴がひとつ開いたようで……。少し前に、引っ越すことがわかったときも、とても気持ちが沈んでしまったことを思い出します。

お隣さんとのおつきあいは、ここしばらく難しさがあって、気持ちが沈むことも多かったので、じつは心の片隅では「もしかしてお引っ越ししてくれたらなあ」と思うことさえありました。でもまだ越してらしてから日も浅いし、引っ越すなんてありえない、と常に思っていたのでした。それが、いざほんとになってしまうと、こうも寂しい気持ちになるなんて。

自分でも自分の反応が理解できなくて、いろいろと思いめぐらしてみているのだけれど……だんだんじんわりとわかってきたのは、お隣さんちのアフガンハウンドの(み)さんには、やっぱり毎日、とてもお世話になっていたんだなぁということ。声が聞こえるだけで、そこにいてくれるだけで、やっぱりうれしかったのでした。

「先生になってください」と頼んで以来、(み)さんは毎朝、わたしがゴーヤの水やりに庭へ出るたびに、窓辺に駆けつけてきて、わん、と声かけてくれて、そのあとはペタリとそこへ座りこみ、じょうろを持って何往復もするわたしをじっと見守っていてくれたものでした。

でも、もう会えないんだ……。こういう別れ方というのは……小学校のとき、ご両親の都合で関東から北海道に引っ越すことになった友達との別れを、思い出します。子どもである自分たち同士では、いかんともしがたい別れだった……。

遠く離れても、会おうと思えばまた会える、というのが大人同士の別れだけど、子ども同士の場合は、そんなふうにはとうてい思えなかった。

福島近辺の子どもたちも、大勢がこういう思いをしているのかと思うと、胸がきゅうとします。

あたらしい家では、(み)さんと、兄弟の5匹のわんこさんたちとが、また元気に庭をかけまわって、太陽をいっぱい浴びて暮らすことができますように、と祈る……。