しかしまだバタバタしてて、いろいろ追いついてなくてやや切ない、関係者の皆さまごめんなさいです。。
でも新月だしね、伸びやかにまいりたいです!
太陰太陽暦で自作手帳を始めてから、ほんとうにこの暦と心がそろってきちゃってるみたいで、新年という実感があまりない今年です。太陰太陽暦では明日やっと師走の月に入るわけで。。。父の山あいの家、相方のお母さんの街中の家を経て、海のそばに帰ってきて、今は本棚の本を全部出して、本のこんまりをしたり、仕事をしたりしてて。。
それでも毎年家族とお祝いしてきた、グレゴリオ暦の新年はやっぱり大切に思っています。今年は実家の父と一緒につくってきたおせちをやめにして、家族のみんながそれぞれ一品持ち寄りをしようと父が提案。父はおせちではない、フランス料理を二品つくってくれました。黒豆も煮てくれたけど。
みんなそれぞれ大活躍して(相方、姉、兄、義理の姉、姪っ子たち、甥っ子、料理などしたことのない義理の兄までも!)とても楽しく新しい元旦の食卓になりました。こうやって食の伝統に新しい風が吹くと、つくづく、おうし座が天王星に入ったんだなあ、と実感する。
年越しそばを毎年父が打ってくれるのだけど、珍しく姪っ子がそばを切るところだけ体験したいと言い出したりして、他の面々もついでにやらせてもらって、みんなでそばづくりができたのも新しかった。
相方は、つきたてのおもちでつくったからみもちを生まれて初めて食べたとかで、とても感激していた。30年前のもちつき機、かわいかった。。ずっと姉の家にあったらしいのに、このたび初めてお正月におでましになった、義理の兄のもちつき機。
新しさと同時に、古きものの良さに新しく気づく、そういう感じが続いてる。
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初夢というか、新年に入って最初に見た夢では、とても巨大な船のようなものに大勢の人と一緒に乗り合わせていました。わたしは人をかき分けて船尾へと行き、進む船が水面につける跡や遠ざかっていく景色を見てた。船首のほうに身体を向けて、進む船の前方を見ている人ばかりの中で、ひとり、後ろを見てた。
12月下旬、岐阜の森林文化アカデミーで、グリーンウッドワーク指導者養成講座の補講に混ぜてもらって「我谷盆」づくりを教わって、そのときも、かつて普通に生活の中にあったんだろうこの生木の木工文化の豊かさを想っていました。
0泊3日で下北沢〜美濃市(森林文化アカデミー)〜箱根と駆け抜けて参加した講座だったのだけど、下北沢のイベントで配られた『旅』というタイトルの昔の詩人の詩を、夜行バスで美濃市についてから朝のカフェで読んでみたら、「古い歴史のある 紙を漉いてゐる あの美濃のやうな 村に行きたい」という出だしで、びっくりしたっけ。。
「我谷盆」講座では、みなさんの1/4くらいのサイズのものをつくりました。「我谷盆」は石川県にかつてあった我谷村で裏作的につくられていたらしい生活用具。生木の栗の木をへいで、屋根板を多くつくっていたこの村で、いい材があるとよけておいて、屋根板にせずにこの我谷盆がつくられていたとのこと。ダム建設に伴いこの村は水底に沈みました。村の人たちが移住するとき、使っていた我谷盆の多くは捨てられたらしかった。
でもこの独特で素朴なデザインに、その後幾人も惹かれるひとがでて、再発見されたり継承されたりしてきていて、これからも、今は森口信一さんが、すたれることはないよにがんばってくださってます。(右の写真は、森口さん作の我谷盆)。
つくってみると、道具のおかげで必然的に少し斜め内側に縁が入るようになるんだなあとか、材は栗を使うのが通例なのだけど、栗のタンニンを反応させて、渋みのある栗色に全体を仕上げる場合が多かったゆえんを実感したり。。板目に木取った板に、繊維を横切る形で丸ノミを入れるとなんとも美しい模様が出ることを、最初に発見したひとはハッとしたんだろうなあ、とか思った。
機会を作って教えてくださった先生方、ご一緒くださった皆さまに、感謝してます。
なにより、デザインと色味とが、好きだー。。
このお盆の底を波型にすることの実用性も、その後いろんな場面で類似のデザインに出くわして、腑に落ちてきました。翌日箱根で入った食事処のテーブルも、天板が波型だった。
その後年末に群馬の山あいの父の家の、近所のフランス焼き菓子店でも、キャッシュトレイが波型の底をしてた。ケーキをガラスケースから取り出すときに使うお盆も、黒い塗りの木のお盆で、やはり底は波型。とても渋いデザインだっ た。
木を刳ってつくるものは、刳るときは必然的に丸ノミを使うから(北欧のスプーンづくりでも、スプーンの匙面にはやっぱり丸くなったフックナイフを使うし)、最後に平らにならすよりも丸ノミの跡をそのまま残しておいたらラク、というわけでもあるんだろうとも思うけれど。
まっ平でないことで、滑り止めにはなるし、置いたものを取り出すときに指がかかりやすくなるというのもあると思う。しかも見た目も麗しい。
魅力的なデザインがどうやって生まれてくるのか、興味深いな。しかもそれが誰が最初に発案したのかよくわかっていないアノニマスデザインだと、なおさら。
こうしてアノニマスなままその良さの体験が共有されていって、やがてそうなっているのがあたりまえだと感じられるようになるものが、文化というものなんだろうなと思う。
山あいの父の家には、毎年お正月に行くのだけど、今年初めてしみじみと、木造の建具の端正な佇まいにぐっときた。木目がすっと通っていて、狂いなくピシッと隅が合っていること。つくってくださった職人さんのことを、今に続く木造建築文化のことを、思いました。
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