2015年10月16日

スプーンづくりいろいろ&グリーンウッドワークの「森をみる」講座

20151013_091559 お天気もまだ寒すぎないし、蚊は減ってきたし、ハンモックを持ってお散歩に行きたい今日この頃であります。。。

昨日1冊分の赤字入れを終えて、しごとが一区切りついたので、うれしくうれしく。そしていそいそとつくってみました。赤ちゃんがやってきた友人に親子で使ってもらえたらなあと、フィーディングスプーンを、桜で。20151016_213535

フリーハンドで、「ここ、ここ」と言われるままに削る方式。果たしてこんなので、使い物になるのか?は謎です。。。だからプレゼントというよりは、使ってみて意見を聞かせてください、とお願いする次第。というのも、フィーディングスプーンやベビースプーンについてのリサーチを、作り始める前にしておけばよかったのに、作り終わって、「こんなのになった。。。けどどうなんだ?」と思って、ようやっとリサーチして。。。 

20151016_21350820151016_21344220151016_213411どうなんだ?という謎は残りつつ、せっかく一生懸命つくったので、とりあえず使ってみてもらおう、と開き直った次第。

そんなことばかしやっています。これまでも、わたしのつくったものをもらってくださったみなさま、ほんと、ありがとう&お世話になっています。どうかどうか、その後の使い心地については、率直におしえていただけたらうれしいです。。(ただダメ出しはやさしくお願します、打たれ弱いので。。)。

* * *

Dsc00606 ここしばらく、しごとの合間にちょこちょこと、コーヒースクープと、こども用スプーンもつくり進めていました。前回の岐阜でのグリーンウッドワーク指導者養成講座で、参加者みんなで裏山からアラカシとコシアブラを1本ずつ切り出したのですが、そのコシアブラのほうで。

じつは講座でのお題目は、切りだした木から各自で樹種標本をつくることだったのだけど、一緒に参加させてもらった相方は、削り馬にまたがって削り始めると思わず、以前マイクさんのとこでやったように、スツールの横木みたいなものを削り始めていて。。。結局そのまま時間オーバーになり、樹皮を剥かれ、まるっぽい棒状に削られたコシアブラは「これは一体なんだろう?」状態でした。

でもせっかくそこまで削ったのだし、とそのまま持ち帰ってきていました。あの日のために自分の身をわけてくれた21歳のコシアブラ。もしかして、コーヒースクープを欲しいと言ってた(た)くんのために、ひとつできるかな?、(あ)ちゃんに子供用スプーンもつくれるかな?と削り始め。。。これら3個のスプーンになりました。左右ふたつは、立つようになっています。Dsc00594

コシアブラはやわらかな木で、色白で、削るのがとっても楽しかったです。

Dsc00602 子ども用スプーンに、と思ったほうは、柄のさきっぽに猫のモチーフをつけようと思ってやってみたのだけど、あんまりかわいくできなかった。。。ので、結局耳を削り落し、ただの玉状の飾りになりました。

むむ残念、と思ったけれど、こうやって彫ってみて、あ、ここにこの切れ込みが入ると、紐をゆわいて吊り下げることができる、と気づきました。柄に穴を開けて吊るせるようにするのとはまた別の方法になるんだな、と。そんな学びもあったので、これはこれで、よしとします。。

今回は毎日少しずつサンディングして、つるつるにしていってます。まだ途中。。。このやわらかいコシアブラの材を、どこまで薄手にして大丈夫かどきどきです。

* * *

それにしても、前回のグリーンウッドワーク指導者養成講座は、ほんとうに楽しかったのでした。「森を見る」というテーマで、日本の森の概要から始まって、伐採するときの服装や季節や注意点、樹木の見分け方(その「いろは」の基本のき)の座学を経て、実際に裏山を歩きながら、そこに生えている木々について植物愛満載の先生から教わり、それから材としての質が対照的な2本の木を伐採して、それらを実際に割って削って、樹木標本をつくっていく、という内 容でした。20758931824_e375eb2959_m

森から始まる、グリーンウッドワークの最初から最後までの流れを一息でたどったような1日でした。すごい講座だった。。。

裏山に入ったときは、数歩歩くたびに、そこにいる植物についてのお話がぶわーっと始まって、ほんとうに楽しく、うれしかった。それぞれについて、お話だけでなくて、さわってみたり香りをかいでみたり、虫の存在を感じてみたり、五感を通じてお近づきになれるように導いていただけました。

20151004_124311 あのときお知り合いになったそれぞれの木々について、帰宅してから復習してノートに整理したのだけど、それがまた楽しかった!お勉強みたいなことをして、こんなに楽しかったのって近年なかった。。。

体験を通じてお近づきになった木々を、これからも、こうやって記録に残して、マイ樹木図鑑&樹種標本をちょびっとずつつくっていけたらいいなあ。

Dsc005371 今回つくった樹種標本は、生木のときのサイズを紙に写しとっておいて、1カ月近く乾燥させたあとと比べました。乾燥したときの収縮率、収縮方向は、グリーンウッドワークでは特に大事になるところかなあ、と思う。樹種によってどのくらいの差があるんだろうな?

そんなこんなを、あれやこれや見ていくのが、楽しいです。ほんとにいろんな木があって、いろんな植物があって。。!

学びを、助けてもらっているさまざまな人、存在に感謝します。。

PS そうだ、今回の岐阜行きでは特に、旅館のおかみさんに大変お世話になったのでした。。。今回は相方のお誕生日でもあったしで、テント泊でなく美濃の古い旅館にお世話になったのだけど、そこのおかみさんは、ご高齢なのと最近しばらく入院もしていたとのことで、いろいろに「上手 にでけんけれど」と言いつつ泊めてくださって、そのうえ、明日はどこへいくの?と聞かれて森林アカデミーで山へ入るんです、と言ったら、翌日の朝食のとき 「のら仕事するなら、お弁当がないとね」と、おおーきなおにぎりと、梨をむいたのを山盛りと、炭酸せんべいのようなおやつまで、持たせてくださったのでした。(おやつはなんと封が開いていて「「これは食べかけだけど、持って行って」と、自分で食べようとしていた分までくださって!)

実は朝ごはんを食べているとき、お昼のお弁当にと、ごはんと梨を少し残して、お弁当箱に詰め ていた私たち。おかみさんがその様子を遠くから見ていた、という可能性はゼロなので、おおーきな袋におにぎりと梨とおやつを入れておかみさんが部屋にやっ てきてくださったときは、ほんとうにおどろきました。超能力があるのかな?と思ったくらい。。。

ありがたかったです、そしてほんとに、おいしいお弁当でした。。!ごちそうさまでした。おやつも、帰りの電車を待つホームで、ほんとうにおいしくいただきました。ご恩、忘れません。

posted by な at 23:49| Comment(0) |

2015年06月29日

ちいさいぼうけん再び〜グリーンウッドワークのグリーンさ

Img_9780 また小さいぼうけんに出ていて、さきほど帰りました :)

今回の行き先は、今まで一度も行ったことのなかった、岐阜県。美濃というところ。そこにある、森林文化アカデミーという森林関係の専門学校で開催されている、グリーンウッドワークの指導者養成講座に参加させていただけることになったためです。

Img_9758 東京から夜行バスに乗り込んで、朝五時半に到着。早朝からやっているバスターミナルの近くの喫茶店でまずモーニングをいただいて(名古屋系の喫茶店だったせいか、珈琲を頼むと、豪華なたまごトーストがサービスでついてきました!しかもコーヒーカップは大好きなウェッジウッドのいちご柄♪幸先がいいというものです)。しばしゆっくりしました。

それから長良川鉄道に乗って、目指す野営地への拠点となる駅へ。そこから河川敷まで出る始発のバスをしばし待つ……。坂口恭平の本を読みつつ……(坂口さんのパリ行き旅日記の本だったから、旅のお供にちょうどよかった)。

バスでなくて、歩いてもいいかな、とも思い立ったので、おそうじをしていた地元のおばさんに声をかけて、川まで歩くとどのくらいですか、と尋ねると「まあ、15分くらいやね。わたしらは、ほら、慣れてるから……」と言いつつ道案内してくださった。ただ若干上り坂気味の道だったので、荷物も大きいので、やっぱりバスで行くことに。「バスがあそこの信号で右に曲がってくれたら、もうけもんよ!そしたらすぐよ」とおばさん。なんだかとても親しみやすい方で、この地がもう好きになりだしました。

バスが来て乗りこむと運転手さんが「このバスは○○行きだけど、だいじょうぶ?」と声かけてくださり…。みなさんおやさしい……。

Img_9764 無事バスで河川敷まで到着できて、野営によさそうな場所をみつくろいました。なるべく人目につかないところ……そして増水しても危険でないところ……としばらく歩き回ってみて、24時間使えるきれいなお手洗いと、お昼が食べられるレストランと、地元のお弁当やら野菜やらを豊富なセレクションから買える場所からも近くて、人目につきにくく、しかも全面リバービューというスポットに決めました。しかもそこは地面が草地で、テントのペグもきく場所。ペグがきかなくて、かわらの石にガイラインを結ぶことも覚悟していたので、いい草地が見つかったのはほんとにありがたかったです。

設営中もなるべく人目につかないように、さっと高速で設営するよう、ベストを尽くしました。

テントを立てて、ごろんと一休み。扉を開けたまま、じいっとしていたら、この場を乱したわたしの気が静まって、場がもとの静けさになったころに、つばめや蝶がテントのすぐそばをふつうに通り過ぎるようになり、それを見て安心して、一寝入り…。

それからお昼を食べに出かけて、長良川の鮎でつくられた「ひつまぶし」をいただきました。おいしかった…。獲れたてのとうもろこしを塩ゆでしたのを売っていたおじさんもいたので、それもいただいてみた。大変おいしかったです。そして大好きないちごが一パック山盛り200円(!)だったので、即買いしました♡

それからレンタサイクルを借りてみた。そうしたら、今日は何かの催しをやってたせいか、レンタサイクル200円の代金を払ったら、お買い物券200円分をくれた。ありがたく、お土産代の一部にさせてもらいました。

自転車で、まずは明日の会場の森林文化アカデミーへの道を一回たどっておこう、とそちらへ自転車を走らせると……なんとキャンパスはものすごく広く、会場になる「森の工房」はまさかの山の上(というか、車なら「丘の上」くらいの感じなんだろうけれど、自転車ではとうてい無理なレベル)。

講座当日の朝にテントから出発してレンタサイクルで会場入りする計画は早々にあきらめて(あまりに最初から汗びしょな参加者にはなりたくなかったので)、別の策を練りました。

幸い、鉄道の駅は駅舎もいい感じに古い無人駅だったけれど、ロッカー(しかも大型のロッカーも!)があったので、朝一でテントを撤収して、河川敷から早朝のバスで駅まで出て、駅のロッカーにテント道具一式をあずけて、そこから電動自転車を借りて会場へ向かえるかも、と思い立ちました。ただ、お天気次第では、テントを朝一で撤収できないかも(雨や朝露で濡れてる状態での撤収は避けたい)。

まあ、不安や心配をしてもお天気のことばかりはわからないし、どうしょもないので、そこはいったん考えるのをやめにして、長良川鉄道の駅のホームがそのまま温泉の入口になっている、というところへ、お風呂に入りにいくことにしました。レンタサイクルは5時までなので、お風呂でゆっくりして帰って来るには間に合わないので、返却。歩いて最寄り駅までいきました。

駅までの長い上り坂をがんばって歩いていくと、坂の途中の階段にすわって、脇に自転車をとめて一服しているおばあさんがいたので、とおりすぎざまに「こんにちは」と声をかけたら、歩くなんて、えりぁーねー、と笑顔で言われた。確かに車がびゅんびゅん通るばかりの道で、歩く人は見かけない……。どこまで行くのと聞かれたので、駅まで、というと、また、えらーねー、と。えらいね、と言っているようでした。ニュアンス的には大変なことしてるねって感じ。そして駅までの道をていねいに教えてくださいました。

最寄り駅につくと、次の電車までは30分以上あった。単線で、短いホームがあるだけの、改札のない無人駅。高校の真裏にあってグランドが見下ろせた。吹奏楽部の練習の音が聞こえる中、本を開いて読みかけると、カン、カン、と小さい鐘音や「よぅし!」というかわいい声が聞こえたので、なんだろな、と思ってよく見てみると、ホーム真下はちょうど高校の弓道場で、はかま姿の弓道部員たちが練習をしていました。おもしろいのでずうっと眺めていた。的までかなり距離があるのに、みんな結構的中させていた。的にあたると、見ていた人たちが「よぅし!」と声を出すならわしらしかった。鐘もうちならすタイミングが決まっていたらしかった。

後で、森林文化アカデミーの講座でご一緒した方と話したら、その方がこの高校のご出身だったので「部活はなんでした?」ときいてみると「吹奏楽。今の時期は毎年コンクール前でほんとにたいっへんでした(笑)」と。弓道部の練習を見かけたことを話すと、この学校は弓道部がわりと強いんです、と教えてくださいました。どうりでみんな上手だったんだ…。

Img_9776 Img_9769 そうこうするうちに、電車が来て、ガタゴトと緑の中を走っていくと「日本のまん真ん中」だという「みなみ子宝温泉」に到着。そうだと聞いてはいたものの、単線のホームに降り立ち、改札も通らずに目の前のガラス扉を入ったらすぐ温泉のげた箱がある、というすてきさにはヤラレました。電車をおりるとき、運転手さんが「乗車証明書」をくださり、これを見せると600円の入浴料が200円になる、というのもすてきでした。

ものすごい広い芝生の敷地に露天風呂があり、見渡すかぎり蒼々とした山並みと青空。そしてひっきりなしにつばめが飛び交っているなかで、ひのきの湯船につかり、あったまったら自然の風に吹かれて涼む……の繰り返し。最高でした。お風呂とはもともと、ほてったからだを風に当てることだった、という話をどこかできいたけど、なるほど気持ちがいいもんだな、自然の風は、と思った……。

Img_9768 お風呂上がりはたたみの上でごろ寝。それから早めのおゆうはんをとなりのお座敷でいただいてから帰路につきました。

車窓からはゆうぐれの赤紫のきれいな空が山の上に広がっていました。そのうち日が暮れて、元の駅につくころにはとっぷりと闇が。その中をあるいて河川敷に戻りました。

暗い中を歩くのは、安心だった。闇にまぎれられるほうがいいのでした。人間に見つかることがいちばん避けたいことだという、野生動物の気持ちがちょっとわかったような。なるべく目立たずひっそりと野営するために、テントに入ってからも灯はつけず、すぐ寝ることに。朝5時半からフル活動だったので、いつもよりうんと早い就寝時間でも無問題ですぐ寝つけました。

最初は車の音もしていたし、人の声もときどき聞こえたけど、いったん寝て深夜に一度目覚めたときは、とても静かで。月もきれいで。そして何より、人の気配がしないというのは、平和でした。

翌朝、5時台に目覚めてテントの扉を開けてみたら、天気予報をくつがえして晴れていた :) 気持ちのいい朝でした。空にはしらさぎのような鳥がゆっくり飛んでいた。それを眺めていて、鳥はなんにも荷物も持たずに飛んでいくなあ、わたしも空を飛べたなら、こんなふうに大きなかばんなんか持たずに移動するんだろうか、とか思いました。

Img_9785テントのフライシートをチェックすると、夜露もそんなに付いてないので、人通りが始まる前の早めの撤収を敢行しました。テントから木までラインを張って、寝袋をさっと干し、そのあいだにテントの中を片付けたり、テントの水分をさっと拭いたり。それから寝袋を取り込み、テントを畳みました。最後グランドシートを風に当てて乾かしました(今回切り売りのタイベックを使ってみたら、すごく早く乾いてくれた。軽量だったのもグーでした)。

Img_9787荷物をまとめてからバスの時間まで、顔をあらったり、珈琲を淹れたり(今回はガスバーナー+ファイヤースチール+簡易珈琲フィルターでぱぱっと3分で淹れられるよう用意してきました)。

* * *

Img_9788ロッカーのある駅まで行ってテント道具を預けてから、グリーンウッドワークの講座会場へ。 森林文化アカデミーの緑あふれる広い敷地内にはそここに東屋的なものが建てられていたので、はやくも飲み干してしまった珈琲のおかわりを、またここで沸かして水筒につめてから、会場入りしました。

講座は1日かけてスプーン1本を、生木の小径木からつくる、というものなんだけれど、情報量がすごかった!メモをとりまくり、写真をとりつつ、作業して。あっという間に時間が過ぎていきました。Img_9807 日の光を浴びて輝く緑の木々を眺めつつ、涼しい風に吹かれつつ、ひたすら生木を削るのは、やっぱりとっても気持ちよくて。

自分にとってグリーンウッドワークは、生木(グリーン材)の「グリーン」と、手道具でつくるため電気・石油フリーだという意味での「グリーン」のほかに、野で寝泊まりしながら行うもの、という意味での「グリーン」もセットになっているようです。森でキャンプしながら椅子を作ったイギリスでの日々でも、椅子づくりのチャレンジのほかにキャンプのチャレンジもあったのだった(気温3度の夜をターポリン1枚&入口開放型のベンダーテントでどう越すかとか、焚火で沸かしたお湯でどう洗髪するかとか、ろうそくの灯だけで自分のテントまでの道をどう見極めるかとか)。

今回は、特にキャンプしたかったわけではなかったけれど、アカデミーの宿泊棟に泊まらせてもらうつもりだったのが、そうしてしまうのは色々お手数をかけてしまうことがわかり……急きょ初めての野営(ちゃんとしたキャンプ場ではない場所での)のチャレンジが加わり、その体験とグリーンウッドワークの学びが、またしても合体してしまったのでした。そしてそれは当然で自然なことだと感じている自分がいたりします……。旅館に泊まることを考えもしたけれど、やっぱりなんだかそれは違う、と感じたのでした。

19208540416_903c001c5d_z できあがったスプーンは、一応みんな同じ型を参考にして作ったはずが、こんなにも十人十色(写真は先生の撮影してくださったもの)。こういうところも、やっぱりいい! 

19228791722_a215b9372a_z これは別の参加者の方のつくったスプーンだけれど、おさじ部分ににっこりマークみたいなのが出てきていました \(^o^)/ 作った方ご本人に、どこか雰囲気が似ていて、とってもかわいいです…!

また別の参加者の方は、「木工は思い通りにいかないところが好き、予想外になるのがいい」とおっしゃっていて、同感だなーと深々と思いました。今回は自分は「なるべく型どおりに」というのにトライしてみたのだけど、心のどこかでは大きなふしを生かしてみたらどうなるかなーやってみたいなーという想いもちょっとあったのでした。

材は2種類から選べたので、わたしは初めて名前をきいたタムシバという材でつくりました。この木は葉っぱを噛むとさわやかな味がする、という木で、実際に噛ませてもらったら、おいしかった。削ると、ましろい肌で。樹皮をはいだら、小さいとげ状の、これから出ると思しき枝の赤ちゃんたちがいたのも、ぐっときた。

初めましての木と知り合いになれて、うれしかったです。

Img_9823 あいかわらず作業が遅い自分は、最後まで仕上がらず(汗)。柄は太いまんま……。残りは自宅での作業です。一応、自宅で使っている、(み)ちゃんがつくってくれたお気に入りのカレースプーンに近いものにしたかったので、この後はモデルさん(写真右側)に見習いつつ進めてみます。

指導にあたってくださったグリーンウッドワーカーの久津輪さんと加藤さんは(そしてアシスタントをしてくださった森林文化アカデミーの学生さんおふたりも)、ほのぼのとした方々で、とってもありがたかったです。ほのぼのしつつ的確に指導してくださるところはやっぱりすごいな、と思いました。参加者のみなさんも、ほわっとした方が多くて、うれしかった :)

帰りは下り坂だし、もうあとはのんびりだし、と歩きだしたら、地元の参加者の方がとおりがかりに車に乗せてくださり……駅まで送ってくださったのも、とってもありがたかったです。遠くから来てしまって、この地にご迷惑になることはなるべくしないようにと、野営も極力最小限のローインパクト&コンパクト野営を心がけたけれど、やっぱりこうして地元の方のお世話になってしまって恐縮でした……。

Img_9820 美濃の山々の緑はなんだかモリモリしていたな。樹種はそんなに大きく違うというわけではなさそうだったのに、なんでだろうな。空気とか、水とか、地場とかの違いだろか?

アカデミーも、この美濃という地も、もう少し、知り合ってみたいと思う場所です。(でも次回は野営ではなくて、古い街並みの旅館に泊まってみたい……)。

posted by な at 18:43| Comment(0) |

2014年11月08日

木地師の森

20141104_112153 用事があって少し前から関西に行っていました。ひさしぶりの関西行きだったこともあって、今回、用事が済んだその足で、なんとなく、京都の北部、美山を尋ねてみました。

京都近辺でテントを貼れるキャンプ場がないか調べていて、たまたま見つかった美山自然文化村というところ。そこを通じて、京大が研究目的で管理している芦生原生林のことを知り、行ってみたいなあと思ったものの、一般の人が入るには制限のある森で(1人での入山禁止、あるルートからの入山禁止など)、地元のガイドさんと行かないとヘタすると迷うとも聞き、なにより市バスでのアクセスがむずかしく、なんとか行きつけても帰るのが無理とわかり、あきらめていました。

20141104_155923 せめてこのエリアの雰囲気だけでもあじわえれば、と思って、自然文化村まで行ったのだけど、夜になって、むくむくと、「やっぱり芦生の森に行きたいな、なんか手段はないものかな」という想いが湧いてきました。

ネットでバスの時刻を再確認。でもやっぱり朝8時に自然文化村を出て芦生の森の入口まで行くはバスはあったけれど、帰りの便は夕方までなく、それだと次の予定に間に合わなくなるのでした。帰りの手段が他にないか、フロントできこう!と思ったけど、もうフロントの窓口時間も過ぎていた。。。

とにかく明日、早起きして聞いてみよう、と決めて、早く寝床に入り、翌朝いちばんにフロントへ。でもやはり帰りの足はタクシーしかないこと、車で30分以上かかること、山奥なので通常のタクシー料金のようにはいかないことを教わりました。

ひるんだけれど、せっかくここまで来たのだしと思って、帰りのタクシー代のことは腹をくくって8時の市バスで森に向かうことにしました。やってきたバスは小さなバンで、乗客はわれわれのみ。運転手さんに、帰りの便はやっぱり夕方までないですか?と聞いてみたら「オンデマンドバスがありますから、乗りたい便の1時間前までに予約してもらったら乗れますよ」と、停留所にオンデマンドバスの時刻表と予約先の電話番号が書かれているのを教えてくださいました。

森の入口に一番近いバス停で降り、「芦生山の家」という建物を尋ねました。早朝なのに、おじさんが3人いて、森の中の地図もここで販売されていました。少しお話を聞いてから、気をつけて、楽しんでいらっしゃい、と言われて出発。

20141104_10062320141104_102505 20141104_105424 入山届を書き、芦生の森に入りました。昔のトロッコの線路があって、そこをずっとたどりました。奥へと行くと、灰野という場所に出ました。ここはかつて「山番」として派遣されてきた人たちの集落があった場所だと看板に書いてありました。

後で調べてみると、芦生の森には、「古くから材木の伐採や炭焼きに従事するために、山中には源流域の谷筋を中心に後の知井村を構成する九つの字から移住した山番が住みついていたほか、用材を求めて山中を移動する木地師が住みついており、木椀や盆などの木材加工品を製造していた」のだそうです。

春に、森の中のオープンエアの工房で生木の木工・グリーンウッドワークをされているマイクさんを訪ねてイギリスに行ったけれど、その前に、すでに日本にも、森の中でその場で木を調達してろくろ形式で削り出し、器をつくる木地師がいたことを、頭では知っていました。でも今回は、その木地師が活動したフィールドに、知らぬ間に入っていたのでした。

イギリスには、かつて森の中で活動したbodgerという木工びとがいて、彼らは手動のツールばかりを使い、ポールレーズとよばれる木をけずる足踏みろくろで、生木を加工して器などをつくっていたんだそうで(マイクさんは、この足踏みろくろを文献の記録から再現して、現代によみがえらせた人)、日本の木地師とやっていたことはほぼ一緒だったもよう。

それだけでなく、マイクさんのところで使っている砥石も、刃物のいくつかも日本製だったり、グリーンウッドワークで使うドローナイフというイギリスに古くからある刃物とそっくりの銑(せん)という刃物が、日本の伝統にもあることや、木を割るときに使うフローという刃物にそっくりの万力と呼ばれる刃物(別名へぎ鉈、かぎ鉈、榑秕鉈、木割鉈)が飛騨高山で古くから使われていたこと。いろいろ重なりが多いのでした。イギリスの森を経由してまたびゅーんと、日本の森へと、導かれて戻ってきたかのようです。

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20141104_110248 20141104_11015620141104_104034芦生の森は、もっとずっと奥深くへ行くと、二次林でない天然林のエリアに出るのだけれど、われわれが歩いたのはほんの入り口のエリアです。それでも、見たことのないふわふわの苔がいたり、紅葉が少し始まっていて、美しかった。20141104_100325 川の水も澄んでいて。なるべく足元を荒らしてしまわないよう気をつけて歩きました。

20141104_122226 お昼過ぎに森を出て、道路へ出ると、タクシーが一台向こうからやってきて、「(な)さんですか?」と女性ドライバーが。びっくりして返事をすると、「オンデマンドバスです」とのこと。バスと言う名前だったから、バスがくるのだと思っていたらタクシーだったので驚いていたら「みなさん、おどろかれます、はい」とのこと。聞くと、火曜木曜のみ、昼間のバスを運休させて、乗る人があるときだけこうしてタクシーが代行しているのだそう。奥地に暮らすお年寄りの通院の足となっている、とのことでした。料金は地方自治体が補助金を出してタクシー会社と契約している関係で、バスの運賃と変わらず。タクシー自体は隣町からかなり時間をかけて走ってくるのにもかかわらず、森の出口から30分以上乗って、一人250円と、なんと行きの市バスで同じ道を走ったときの運賃よりさらに安かったのでした。

相方と2人、貸切乗車になったので、運転手の女性にこのあたりの暮らしについてお話を聞くこともできて、さらにありがたかったです。

自然文化村も、とってもいいところで、レストランのコーヒーもケーキも食事もとってもおいしかったし、宿泊させてもらった河鹿荘という宿も、スタッフのみなさん感じのよい方ばかりで、居心地よかった。。。この宿の名前は、てっきりこのあたりに暮らす鹿に由来しているのかと思っていたら、宿の前に流れる川に住むカジカガエルに由来していました。

カジカガエルは、相方が特に大好きなカエル。カジカガエルの鳴く季節には、わざわざ高尾山に会いにいくほど好きなのでした。美山の川にもカジカガエルがいるとわかったので、また、カジカガエルの声がきける季節に、今度はテントをかついで来れたらよいなあと思いました。

20141104_110315 そしていつか、芦生の天然林のブナの木たちに会いにいけたら、うれしいな。。。

posted by な at 00:02| Comment(1) |