6年前に相方にプレゼントした「なぞの旅」(行き先を秘密にして連れ出す旅:写真はそのときの)で、ボートでしか行けないキャンプ場でテント泊したのだけど、その日は私たち以外一般の宿泊の人はいなくて、でもなんだか人がぱたぱたとしていて、何かと思ったら、翌日からそこを会場に「勝手にウッドストック」という、手づくり型の音楽フェスがあるとかで、前日からミュージシャンの方々が自ら会場の設営をされていました。

私たちは会場とは逆側の静かな一角に泊まらせてもらえたのだけど、焚火のできる場所と水場は屋根のある炊事場にあったので、そこにある木のテーブルとベンチで午後のコーヒーを入れて日記を書いたり、お夕飯のカレーを作ったりしていて、そのとき、ミュージシャンの方がおひとり、私たちの方にいらして、なんかおやつかなにか、おすそ分けをくだった。。。コロリダスのしみずさんでした。
で、私たちが日記を書いていたテーブルは、そのうちに会場の方面へ運び出されていき。。(ステージになる部分はキャンプ場内の木のテーブルを寄せ集めてつくるらしかった)あらら、と思ったけど、夜中にキャンプ場のおじさんが、対岸までボートを出すけど乗りますか、と声をかけてくださって、星空の下、しずかで暗い水面をすいーと一往復させてもらえて楽しかったりしました(今思えば、どなたか前夜に現地入りするスタッフかミュージシャンの方のお出迎えだったもよう)。

翌日、フェスの始まる昼前に私たちは舟で対岸に送ってもらってキャンプ場を後にしたのだけど、なんだか楽しそうなフェスだなあ、いつか行ってみたいな、と心に残っていたのでした。

で、毎年この時期に相模湖でやっているのはわかっていつつ、月日は過ぎて。。。今年ふいと思い出したのでサイトを見てみたら、17年目の今年が最終回、と書いてあるのに出くわして。こ、これは、今年行かねば、と。
でもわかったときには宿泊チケットはおおむね売り切れてて、残ってた宿泊チケットは仕事の関係で無理な日程だったので、日帰りワンデイでの参加しかなかった。。
で、今年の「なぞの旅」として計画して、日帰りで行ってきました☆
相方には、雨具やおやつ、日記セットなど持ち物の案内だけしてあとは秘密だったので、電車で移動するときも、どこに向かっているのか、どこで降りるのか、なぞのまま。相模湖駅で降りたときも、「あ、前になぞの旅で来たねー、あのとき以来だね」と言っていて、ボート乗り場に大勢のほかのお客さんと並んでいるときでさえ、音楽フェスに行くことがわかっていなかったらしかった!
なのでボート乗り場でようやく種明かししました。これでドッキリアワーは終わりかなーと思ったら。。。お客さんがみんな順繰りに船に乗り込んだのたけど、大きいほうの屋根付きボートにのりきれず、屋根なしの小さいボートに乗ることになり、そしたらななめ向かいにまさかのカジヒデキさんと乗り合わせてしまって、あわわ。。 ボートがキャンプ場へ行くまでの10分くらいのあいだ、(短パン姿の)カジくんのひざこぞうあたりに、小さいちょうちょがずうっととまっているのに目が釘付けでした(ご本人はスマホで写真を撮ったりしてて、ちょうちょには気づいてなかったみたい)。
キャンプ場にボートがつくと、いきなりウェルカムミュージックでお出迎えしていただいて(三々五々、楽器を弾きながら船着き場から陸上まで一緒に歩いてくださる、というふう!)、しょっぱなからとってもメリーでした。
会場全体がなんだかメリーな雰囲気で。メインステージのすぐ横は川で、水音が聞こえた。
よくわからないままメインステージのうしろほうにいくと早くも今日のお一人目、臼井ミトンさんが歌い出して。。ここのステージはメインステージも、湖上に浮かぶサブステージも、屋根なしの潔さ(雨降ったら大変だろな)なんだけど、メインステージのはるか頭上、斜面にそびえ立つ大木の間をときどき風が吹き抜けると、葉っぱがちらちら、光を浴びながら舞い落ちてきて、それを眺めつつ臼井さんのうたを聞いていると、なんか多幸感に襲われました。
臼井さんの次はカジくんの出番で、歌い出したとたんに、またしても(今度はおおきめの)ちょうちょが1羽、ステージとお客さんたちの頭上をくるくるまわるように飛んでいて、ここは天国でしょうか?という感じでした。




そんな感じでまる1日、途切れることなく生の音楽に浸かりつつ、水音を聞きつつ、虫のうたも聴きつつ、ごはんたべたり、おやつたべたり、物販を覗いたり、昼寝したり(途中急にぐったりして、持参したハンモックを、みんながいるところから遠い一角に吊ってちょっと寝た。。ハンモックの中からも湖面が見えてきれいだったー)、で、夜9時回るころ、舟で会場を出たときも、湖上のサブステージではまだ音楽が続いていた!

おそらくその後も、フリーセッション的な感じでずうっと続いたのだろうな、と想像する。。いやー、すごいです。
このフェスを主宰してきた、バンバンバザールさんいわく、そもそものきっかけは、ミュージシャンご本人たちが集って音楽を楽しもう、というのが最初で、それをついでにお客さんにも見せちゃおう、となって17年続いてきたんだそうです。参加ミュージシャンの方々も毎年来ている方たちや常連の方たちが大勢いそうでした。お客さんも。
小さい子も大勢来てて、子どもたちが好き勝手に遊んだり音楽聞いて踊ったり、親子でフリスビーしてたり、夜には花火してたりしたのものどかでした。音楽と暮らしが地続きな場にしたい、と主宰のバンバンバザールの福島さんがおっしゃってたけど、ほんとにそうなってた。
昨日のトリのバンバンバザールさんのステージでは、最後に今回参加してるミュージシャンの方が全員ステージに上がって「On the Sunny Side of the Street」をみんなでやってくださいました。メリーでした。。。!
このフェス、会場のみの石滝キャンプ場のすばらしさはもちろん、フェス自体の小さめの規模感、手作り感が、秀逸でした。意図がぶれずに、ここまで来たんだなーと思うとすごい。。。バンバンバザールの福島さんが最後のあいさつ的なふうに、このフェスは今回で終わるけど、みんな、これからも、楽しいことのほうへ向かって、それぞれに明るく歩いていきましょう、みたいなことをおっしゃってたのが、心に残りました。
ほがらか力、みたいなものを感じた。それってナチュラルにほがらかなのとも違う、さまざまなことがあってのんきでいるわけにはいかない中で、「それでもあえて」ほがらかを選んでいこうとする力、みたいな?
あ。あと、この世には本物の天使が人間の中にときどき紛れているもんだ、と常々思っているのだけど、昨日初めて聴いたギタリストの鈴木茂さんは、本物の天使だなー、と思いました。音楽も(曲も詩も演奏も)、お人柄も(ご本人手づくりの物販も!)、ぐっときた。。。バンバンバザールのおふたりは、天使をちゃんとゲストに呼べるのもすごい。。
みの石滝キャンプ場のおじさんとおねえさんも、朝から晩まで影で大活躍されていて、頭が下がりました。ほかのミュージシャンのみなさん、スタッフさんたち、飲食のブースのみなさんも、なんかどの方も、心意気の美しさが、印象的でした。今回で終わりで残念。。4年に1回とかにして、続けばいいのになあなどと勝手な願いを持ちました。。そうならないかなあ。。もしくはさじフェスをこんなところでやれたらよいのになー音楽ライブも合体したようなやつを。。。
なにはともあれ、音楽好きな相方は帰宅してからも、「今日は楽しかったー」と何度も言っていて、今回のなぞの旅、喜んでもらえたみたい :)
今回のフェス参加にあたって、新たにわが家の仲間になってもらった、モンベルのトレイルチェアーにもありがとう。すごく軽量で、2人分秘密裡に担いでいくのもなんの苦にもならなかったし、さっと出して快適に座れて、撤収も一瞬でできて。しかも色もぐりとぐらみたいなのが選べて。お値段も手ごろで。うれしかったです。
今年はスペシャルに、「なぞの旅・その2」もまだあって、そちらはまだこれから。その2も喜んでもらえるといいな。