2019年04月22日

音になる

Safe_image イサドラ・ダンカンのダンスを継承している、メアリー佐野さんが、ラフマニノフの曲に振り付けをしたのを聴きに・見にいった昨夜。どきどきして、帰宅してからも寝付けなくて、どうしたことかと思った。。。

会場はプロテスタント教会で、スタインウェイが1台ある、それだけの、ほんとうにシンプルな場。ピアニストの方の演奏に合わせて、ひとりでひたすら躍ったメアリーさん。かつてイサドラが生きていたときの舞台もこんなふうだったんじゃないかと想像して仕方なかった。

イサドラが好んだのも、青い幕を背景に1枚掛けただけの、シンプルな場だったといわれていて。そこでイサドラが踊れば、さまざまなものがありありと出現した、と見た人たちは証言してるわけだけども、昨夜のメアリーさんもそんなふうだった。

イサドラは、ダンスを踊ったというより、音楽になった、と個人的に思い込んでるのだけど、メアリーさんにも、やっぱりそれを感じた。。音があって動きがある。。。今現在のことなのでした。

プログラムが進んで、曲が弾き継がれていくにつれて、ひとの一生を見ているようでした。

帰り道に、つくづく、メアリーさんとシルクスカーフとの関係は特別だ、と思った。それで、急に、イサドラにとっても、スカーフが特別だったことを思い出しました。イサドラはスカーフが首にまきついて、それで亡くなったのだった。

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わたしもいつか、音になって踊れるようになりたいな。。
posted by な at 00:00| Comment(0) | 踊り

2008年09月16日

混乱の中にて

今日、ある踊りの先生の映像を、You Tubeで見ていました。

踊りはビデオで撮ると、現場で見るのと全然違ってしまう、とかねがね思ってきたけれど、彼女の踊りは、You Tubeの小さな画面でさえも、すばらしかった。

それで、「よかったなあ、こういう踊りをする人が、この世にいて」と改めて思ってしまったのでした。

* * *

サリンジャーの『Raise High the Roofbeam, Carpenters (大工よ、屋根の梁を高く上げよ)』をひさしぶりに読み返したくなりました。

なんだか、混乱状態。

posted by な at 22:52| Comment(0) | 踊り

2008年07月17日

佃島の盆踊り

Bonodori今年も、東京・佃島に伝わる古い盆踊りに、おじゃましてきました。

ここの盆踊りは、実にすてきで、地元の方たちも「ご覧のとおり簡単な踊りですから、おみやげにどうぞ踊って帰ってください」と外部の私たちを快く輪の中に入れてくださいます。

隅田川に面した、民家の立ち並ぶ広い道に、やぐらを立てて、ぼんぼりを吊ってあります。おじいさんが1人、やぐらに登り、たいこをたたきながら、えんえんと、うたってくれます。ゆったりしたうた。踊りの振りは、とてもシンプルで、ゆっくりしていて、老若男女みんなで踊れます。

踊り場の、川に近い側の真ん中に、無縁仏を祭る小さな祭壇がしつらえられています。夏野菜がどっさりをお供えしてあり、そこでみんな手を合わせてから、踊りの輪に入ります。小さい小さい子供たちもみんな手を合わせる。祭壇の前には時に行列ができたりします。

曜日に関係なく、毎年7月13日から15日の3日間行われます。踊る人の都合で週末にずらす、なんてことをしないのは、やっぱり、無縁仏の供養として踊る、ということが大事にされているからだと思います。

佃島は隅田川の流れの分岐点にあるので、上流で災害があったときに死体が漂着したんだそうです。江戸時代にあった大火事や、東京大空襲のときに、被害に合われた方たちの亡骸が流れ着いて、ここで供養されたとのこと。

* * *

踊ることがメインなので、出店などはありません。道沿いの駄菓子屋さんと酒屋さんの軒先で、ビールやラムネが売られているだけ。

私とパートナーも、ここの盆踊りが好きで、ほぼ毎年、おじゃましています。今年は、はじめて、子供の踊る時間に間に合いました。はじめは小学3年生くらいの男の子1人とあと数人の小さい子が、踊るでもなく踊っているだけで、「わ、こんなに寂しいのかな?」と思っていたのもつかの間、川を眺めてからまた踊り場に戻ってみると、もう大勢の子供たちが列を作り始めていました。

そして日が暮れるとどんどん子供たちが増えてきて、最後には輪を最大限大きくしても、場所によってはきゅうくつそうなくらい。ものすごい人数の子供たち(就学前の小さい子から中学年くらいまでの子たちが100人近くいたかも?)が、合いの手を入れながら、えんえんと同じ踊りを踊り続けていました。あまりのにぎわいに、ひたすらびっくり。

めちゃくちゃに踊っている小さい子には、少し大きい子が教えてあげていたり。男の子も女の子も、友達同士でおしゃべりして笑いあいながら踊っていたり。色とりどりの浴衣もかわいくて。かと思えば、サッカーウェアみたいないでたちで、もくもくと1人、踊りに入り込んでいる小3くらいの男の子もいました(彼は踊りが本当にすきなんだろうな)。

かれこれ1時間以上、子供たちは休みなくずっと踊っていました(子供踊りではさすがに生うたではなくて、おじいさんのうたのテープに合わせて太鼓をならしてました)。ずっと見ていてもぜんぜん飽きなかったから、踊っている本人たちもずっと楽しかったんだろうなあ。。。

大人の踊りの時間になって、私たちも、休憩時間以外はずーっと、踊り続けました。振りのステップの関係で、なかなか前に進まない踊りです。でもじっくり踊っていると、左回りの輪でできた場が、だんだんと練りあがってくる感じがあって。それが気持ちいい。。。

9時までの予定が、おじいさんのうたがなかなか終わらず、世話人らしきおじさんが、マイクで「そろそろ時間ですので。。(汗)」となんどか催促。そんなやりとりも面白くて笑ってしまいます。確かおととしは、江戸っ子なおばさんたちがやぐらに向かって、冗談だか真面目だかわからない勢いで「もういいかげんにしなよっ」とか言ってた記憶があります。

「ここの盆踊りはいろいろやらないのがいいのよね」と話していた外部のおばさんたちがいたけれど、同感でした。

帰り道、ここだけじゃなくて、いろんなところでこの盆踊りをやったらいいのになあ、と夢想しました。

posted by な at 22:48| Comment(2) | 踊り