お気に入りの下高井戸シネマで先日「ぐるりのこと。」を見ました。
わかりやすい感動ではない、言葉にならないことが、丁寧にたどられていく映画でした。上映後にとなりを見ると、鼻が真っ赤な人がいた(泣きすぎ)。でもわたしもおんなじだったみたいです。
橋口監督、すごい、とおもいました。男とか女とか、被害者とか加害者とか、いい人とか悪い人とか、同性愛とか異性愛とか、そういうわかりやすい分類を、ほんとうに越えてる視点がありました。
なにも安易に「昇華」しないし、かっこつけようとしたり、笑いをとろうとしたり、答を出そうとしたりといった、といった「作為」も通り越していて。
作り手に嘘のない映画だな、と思いました(映画っていうメディアは、そもそも存在自体が嘘なのに)。
役者さんの演技とかストーリーラインとかセットのディテールがどうこうってことじゃなく(それらもここまでやるかっていうほどリアルなんだけど)、なんか、なぜか、そういう次元ではない次元で、嘘くささがない感じがしました。
ほんの少し前の時代の「空気感」を再現していたところにも脱帽しました。今とははっきり違うような一昔前の時代よりも、まだ今と地続きの、ほんの数年前の時代の空気を再現するのは、ずっと難しそうなのに。。
予告編
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