バテたわけではないのだけど、どうもこのところ、心から楽しいとかうれしいとかウキウキするとかいうことがなくて、まるですべてと自分とのあいだに厚さ50センチくらいの壁が、透明なんだけど歴然とそこにある感じで、これはどういうことなんだろうな、と思っています。
以前すごく楽しくて仕方なかったことについて、考えたり、実際にそれをしたりしても、あまり晴れやかな気持ちにならないのでした。
なにかじいっと耐えているようなふうのまんま、目の前の仕事をひたすらこなしていく日々。。。そんななか、ひょんなことから、携帯ラジオについて調べていくうちに、短波放送というものの存在を知り、聞いてみたくなりました。
とおーくの国、ルワンダとかエチオピアとか、のラジオが短波だと日本にいながらにして聞けるんだそうです。もちろんアジアの国やヨーロッパの国のも。それと、灯台放送というのが聞けるらしい。これは日本列島の岬に立ち並ぶ灯台がリレーして放送している、その灯台所在地のお天気情報だそうです。
各地の灯台をリレー放送!内容が気象情報のみ! それだけで、なんだかぐぐぐっと惹かれてしまうのは、自分の内なるムーミンパパがさわぐからだろうか。。。ほかのすべてが厚さ50センチの壁向こうになっているなか、この灯台放送のことを考えてるときだけは、ふしぎと気分がちょっと上がるのでした。
仕事の合間に、短波・AM・FMの聞ける携帯ラジオのリサーチをつづけ、10日以上迷ったあげく、ついにラジオを注文しました。
最初にほしいと思ったのは、十和田オーディオという秋田にある会社がつくっているSONYの携帯ラジオで、ICF−SW22(JE)というトラベラー向けモデルでしたが、もう販売が終了していて。悩みに悩んで最終的にDEGENという中国のオーディオメーカーがつくっているDE29という白いラジオにしました。
決め手は(わたしの予算の範囲=5000円くらいまでという以外に)、小さいボディながら音がとてもよい、という評判と、灯台放送の聞ける周波数をカバーしていることと、手のひらサイズで軽量(電池込みで145g)なことと、音源がモノラルでなくステレオなこと、デザインが軽やかだったこと。あと、短波初心者の自分には、いきなりアナログチューニングでいくよりも、聞きたい周波数の数字を入力するとピンポイントにそこに合わせてくれるラジオで慣れるのがよいかも、と思ったこと(アナログ機器のほうが壊れにくく直しやすいと思うし、ほんとは好きなのですが)。
ただこのラジオを使ったことのある人のレビューが少ししかなくて、おおむね悪くない評判だったのだけど、わたしに合っているかどうかは未知数です。
* * *
リサーチしているとき、「いちばんいいのはどのラジオかな」というふうに考えてリサーチしている自分がいたけれど、だんだんはっきりしてきたのは、「いちばん自分に合っているのはどれか」なんだなってこと。
小ささと軽さが大前提だったのだけど、そのうえで、自分は音そのものから喜びを得るタイプなので、やっぱり音質が最優先事項になりました。受信感度も大事だけど、音質のほうが受信感度よりも上になってしまった(灯台放送ばかりをずっと聴きたいわけでもないので、FMで音楽も聞けたらいいなと思って)。これは、おそらくコアな短波リスナーの方ならありえない優先順位だろうと思う。
でもこの「いちばん自分に合っているのは?」という選択基準は、ポイントだな、と思った。ここをクリアーに自覚しておけば、自分にとって(もしかすると自分だけにとって)「いちばんいい」ものを、他人にやみくもに勧めたり押しつけたりしないで済むなあ、と思って。宗教しかり、思想しかり、さまざまな方法論しかり。
各自がそれぞれにいちばん合っているものを選びとって共存できるような、最低限の自由と思いやりさえ共通基盤として確保できれば、お互いの「いちばん」を認め合ってやってくことはできるんじゃないかな?と思ったり。。。
それぞれが自分にとってのいちばんを、(たとえそれがほかの人のいちばんとだいぶん違っても)「これがいまの自分にとってはいちばんです」とふつうに言えるようであったならなあ。お互いに異なるいちばんについて聞きあって、おもしろがって、情報交換をしてインスパイアしあえるようであったらなあ。
他者にとっての「いちばん」が信じられない!とかわからない!と感じるくらい自分のと違うとき、思い切りそう感じきって、そうすることで自分の「いちばん」をくっきりはっきりさせて、相手の「いちばん」があるおかげでよくわかった自分の「いちばん」を大切にするほうへとエネルギーを向けていけたらなあ。。そして自分の「いちばん」を大切にしつつも、インスピレーションには常に開いておいて、自分にとっての「いちばん」の移り変わりを季節のように体験していけるようであったらなあ。。。
それにしても、「今の自分にいちばん合っているもの」=「完璧」なわけではないですね。。。さまざまな「大好きなとこ」と「そうでもないとこ」が同時にそこにある、そのまるまんまで「合っているようだ」、ご縁があったようだという、ほんやりした「いちばん」なわけで。
わたしの注文したラジオは「明日発送します」との連絡をもらったので、今頃はもう箱に入れられて、うちの方向へと旅を始めているはず。香港から、空を飛んでやってくるこのラジオが果たしてほんとうに良いご縁なのかどうかは、じっさいに出会ってみないとわからないけど、とりあえず、到着がたのしみです。。○
PS このラジオを待っているあいだに、少し前からオークションでチェックしていた、十和田オーディオ製のSONYのICF-SW23(ICF-SW22の後継モデル)の新品を、ほぼ手違いで(汗)落札できてしまった。。。ほかに7人くらい入札している方がいたので、きっとだめだと思って、軽い気持ちで1回だけ入札してみたら、そのまま落札へと。。。わわわ、と焦ったけど、これも何かのご縁なのかなどうなのかな。。。
音質はだぶんDE29のほうがよいみたいなのだけど、カセットケース大のカッチリしたデザインのワールドバンドレシーバーで、相当かわいいので、やっぱり楽しみです。乾電池で使えるので、キャンプ用とか緊急時用にはこちらのほうが心強いかもしれないな。。。