先日剪定したセンダンの枝で、まずは小さいトライポッドスツールをつくってみることにしました。センダンの枝は、成長が早いわりに、結構小径でもしっかりしている印象があったので、まずは実験。
先へいくほどやや細くなるので、太さを揃えるべく(それぞれが直径2.5cmほどになるよう)、3本のうち2本の樹皮を剥きました。
ドローナイフの重さだけで、すっと剥けるほど、みずみずしくやわらかな樹皮です。すべすべの白い肌が表れた。
仮り組みをしてみました。トライポッド結びというロープワークで3本を結わいて。
座面には、こんな織りテープが手元にあったので、三角になるよう組み合わせてみたり。
どうしても座面が傾くのでした。もっと太いひもで結び直したりと、試行錯誤を繰り返した末にわかったのは、この結び方をするなら、3本脚のうち1本は他の2本よりも結ぶ位置をずらさないといけない、ということ。
さて、座面を平らにする方法は、わかったのだけど、こんどは耐荷重の問題が。荷重がかかると、結び目がよじれて、脚の結合部の横滑りが始まってしまい、どんどん座面が低くなり続けてしまうのでした。座面が織りテープでストレッチ性がある、というのも原因らしい。厚手の革とかにすれば、座面そのものが歯止めをかけて、横滑りを防げそう。
でも革はできれば使いたくないので、まずは結合部分を、ひもで結ぶ方式から、ネジで留める方式に切り替えてみることにしました(このサイトのトライポッドスツールの作り方を参考に)。
ホームセンターへ自転車を走らせ、ゲットしてきたのは:
長いボルト 1本
アイボルト 1本
ワッシャー 3個
ふくろナット 2個
ボルトの太さに合わせて、スツールの脚に穴を空けました。アイボルトを使うこの方式だと、穴は3本全部、同じ高さに穴をあければよいはず。手回しドリルで、上から17.5cmのところに穴をあけました。
とりあえず、ここまでで、いったん脚を乾燥させることに(ほんとうは穴は乾燥させてからあけるほうが良かったかも。。乾燥すると穴のサイズが縮んでしまうので)。ま、なんとかなるかな、どうかな。
脚3本をひもでつって、自然乾燥に。残りの作業はまた後日。。。たぶん座面も、もっとしっかりした帆布とかでつくらないといけないだろうと思われる。でも織りテープの座面はかわいくて捨てがたいので、飾り的につけてもよいかもしれない。。。
* * *
トライポッドスツール用の脚を切ったとき、末端の、少しまがっていて脚にはできなかった切れはしが出ました。曲がり具合がスプーンによさそうだったので、スプーンをけずってみた。
使いやすいのかどうかは、
これまた謎。。。
まあ、とりあえずセンダンはスプーンの材に向いてるのかどうかを、実験的に使ってみて、見ていってみることにします。
ものづくりを、あれやこれや考えながらやっているときの自分は、ムーミンパパみたいだと思う(特に「ムーミンパパ海へ行く」のお話の中のムーミンパパ)。どうでもいいことに夢中になって、うんとエネルギーをさいている感じ。。。^^;
でも仕事に追われるばかりだと消耗するので、こころの健康のために、木に触れることを暮らしの一部にしておきたいのでした。ほんとうに、木々にお世話になっています。
そういえば、ホームセンターへと向かう川沿いの道を自転車で走っていたとき、公園がふと目に入ったのだけど、そこの公園は真ん中に太くて大きな欅の木が立っていました。
それを見たときに、自分の子ども時代がよみがえって。いつも遊んでいた近所の小さい公園も、やっぱり真ん中に太い大きな木が立っていたこと。思えば、あの木こそが、スダジイだったんじゃないか。。。!
後にもっとずっと大きくなってから、学校の帰り道に出会った1本のスダジイとつながりを持てるようになったのも、もっと小さいとき一緒に遊んでもらっていた、あの公園のスダジイのおかげだったんじゃないか、と思い当たりました。
公園のスダジイのことは、まったく忘れていたことだったのだけど、水星が逆行していた期間のあいだによみがえった記憶のひとつでした。
大好きだったあの木。幹の肌合いのごつごつした感じもリアルに思い出せます。そこを歩いていたアリも。ふたまたに分かれたところによじ登るコツがあって。。。 枝がぶらーんとなっていた一時期は、そこにぶらさがってターザンみたいなこともして遊んだ(「危ない」といってほどなくしてその枝は大人に切られてしまったけれど)。ほんとうによく遊んでもらった木でした。
今、その公園はまだそこにあるけど、真ん中に立っていたあの木はもういない。
あの公園ではいろんな楽しいことがあったのでした。大きな石に腰かけて、手の甲に毛虫が這うのを眺めていた記憶もあるし、夏休みには公園の一角に穴を掘って、そこで土をこねてつくった縄文風土器の「野焼き」を、母と友達と一緒に敢行したこともありました。公園で大々的に火を燃すなんてことを、やって大丈夫だったのが、考えてみると驚き。。。
縄文風土器づくりは本当に楽しくて。縄文土器の研究も、縄文時代の遺跡めぐりも相当ハマりました。わたしが縄文マニアになってしまったら、母が知り合いのおうちの裏手の発掘現場とかにも連れて行ってくれて。発掘作業をしていた大学生のおにいさんが、掘り下げて出てきた色の違う地面を指差して「ここを縄文さんが走っていたわけ」と教えてくれたときの、わくわく感といったら。。。その現場のおうちの方から、研究者の人に内緒で大きな石斧(打製石器)をもらったのは、宝物でした(今も持ってる)。
あるときはもっと遠出して、新聞の記事で見た縄文研究家の人のところに、押し掛け取材にも行きました(母の運転で)。その方が手づくりした縄文時代の服(葦を織ったような)を着させてもらったり、その方が建てた竪穴式住居に入らせてもらったっけ。さらにずっと遠くの登呂遺跡(ここは弥生時代の遺跡だけども)にも、母が車で友達たちと私を連れて行ってくれたりも。
話がそれたけれど。。。木工に魅入られて、この春に神戸の大工道具館をおとずれたときも、展示の中で一番じっくりじっくり見て回ったのは、石器時代・縄文時代の道具類の展示でした。
石斧ももちろんあって、石斧で木を切り倒した場合の切り口を鉄斧と比較した実物展示もありました。石斧で木を切り倒す実験動画も、見ごたえがあったなあ。
その展示の一角に、大きなパネルで掲げられていたのが、この美しい建物の写真。これは縄文時代の集会場とおぼしき建物を再現したものだそう。ほんとうに息をのむほどに美しい。。。
グリーンウッドワークという、オール手作業でできる生木の木工にこうも惹かれるのも、縄文時代のものづくりに惹かれてしまうのと、根が同じかもしれないです。