スウェーデンのクングスレーデン(王様の散歩道、という名前のロングトレール)をついこないだ歩いてきたという、UPI Outdoor鎌倉店店長さん、横倉さんの報告会に先日行ってみた。ロングトレールは、自分にはきっと難しいだろうけど夢の次元ではいつか歩いてみた
いもんだーと思ってたので。
ところが!このトレールは、「自分にもきっとそれほど難しくないトレール」であることが判明してしまい。。。それどころか、野生のブルーベリーもリンゴンベリーも生えているし、おいしい湧き水がそこここで出ているし、人よりヘラジカの方が多かったりするし、山小屋にはサウナもあるし、セルフで使えるキッチンもあるし……とても幸せになれそうなトレールだということがわかってしまいました。
一番興味深かったお話は、このトレールができた経緯で、ジョンミューアトレールや日本のトレールなど、他の場所のトレールだと、トレールはもともと交易の道だったりとか、散策路とは別の目的でできあがった道だったりするのだけど、クングスレーデンの場合は、1800年代後半にスウェーデンの山岳地帯に人が入っていきやすくすることを目指したSwedish Tourism Associationという団体が、このトレールを構想したんだそう。限られた資金で山小屋を建てたり、湖を渡るためのボートを導入したり、とコツコツと進めていったらしい(1900年代初頭は、まだ道らしい道も整ってなかったそう)。
いずれにしても、もともと自然に親しむことを目的にできたトレール、というところが、他のトレールとは異なるらしく、そういう目的だったからこそ、ハードな道ではなく、老若男女が歩きやすい道になっているということのようでした。
(誰もが歩けるように、という道だから、もしかすると「王様の散歩道」じゃなくて、「散歩道の王様」っていうふうに訳す方がしっくりくるのかな、という気もします)。
スウェーデンでは自然を享受することは万人の権利とされていて、基本、どこででもテント泊できるし、ベリーも食べていいし、キノコもとっていいのだけど、それは昔から自然の森と関わり続けてきて、代々関わり方をわきまえてきた、そういう土壌があるからこそ成り立っているんだなーとしみじみ思った。そういう文化が受け継がれて今に至っているところ、うらやましい。。
これはフィンランドもそうで、スナフキンが「○○するべからず」みたいな看板とかが大嫌いなのも、自然をめちゃくちゃにしないための心得がそもそもあるから、そんな規制をくどくど言われることの意味がわからんってことなんだと思う。
それくらい当たり前のように、森とつきあうたしなみを身に付けてみたかった。。日本も国土に森林が占める割合からいくと、フィンランド、スウェーデンに次いで世界第3位だけど、森との付き合い方、森の愉しみ方、というところではだいぶ開きがあるように感じてしまいます。でも、そうでもないのかなどうなのかな。
写真は、スライドで見せていただいた、トレール上にぽつんとあるサウナ小屋。UPI Outdoor鎌倉店店長さん撮影。