2018年01月29日

雪と、めぐり

Img_3466 去年の真夏の暑いときに、こんなの書いてたのが出てきた。。。

* * *

寝る前のおふとんの中で、中谷宇吉郎さんの、昭和11年頃の随筆集を楽しく読んでいる、今回の水星逆行な日々です。雪の研究のお話とか、外の雪の中にものを置いておいたらまず濡れることはない(水分は凍るから)十勝岳でのお話とか、蒸し暑いときに読むと涼しくていいです。

なかでも十勝岳の山林監視人であるO老人のお話が、とても興味深かった。12月から2月いっぱいまで、犬の毛皮と塩一升と猟銃だけを身につけて、十勝連峰から日高山脈までを1人で歩き回った、というお話。

「この老人の話をきくと零下二十度の雪の中で二カ月も寝ることが何でもないことのようなのである」「雪の中で寝るのに一番大切なことはたき火をすることであるそうである」「鋸と手斧とマッチが食料品と同様に雪の山では必需品であることを実例で教えてくれたのはこの老人であった」

昭和初期の、日本の北の地にも、やっぱりブッシュクラフターがいたんだなああ。

* * *

Img_3467_3

で、この冬はほんとうに、南関東のうちらへんでも雪がたくさん積もったし、このところ寒さがキビシイです。ヤシの木と雪のツーショット撮った。なんか不思議な景色。

寒いときは家の中であったかくしてるのも楽しいけど、思い切って外に出ちゃうのもいい、と身をもって学びました。

雪の翌朝、雪だるまつくった。Img_3458_7

その数日後は箱根へ、いつもの温泉へ入りに行ってから、足をのばして元箱根港へバスで出て。箱根神社のほうへ行くみちに入って、湖畔をずうーっと箱根園まで、歩いてみました。

Img_3519_2 Img_3522_2 雪だらけ。下り坂は滑りそうになるし、かなり、リアル・フィールドアスレチック状態でした。たのしかった!

箱根園って初めて行きました。そこからロープウェーで駒ケ岳山頂へ。

Img_3549Img_3540_2

Img_3534

山頂はひろびろとしていて、相模湾も芦ノ湖も丹沢のほうも、富士山も見渡せて、雪も積もっていて、とっても爽快でした。つもった雪が風にふかれた跡もきれいだったし、木の枝につもった雪が風に吹かれた形で氷柱になってたのも、きれいでした。フェンスの柵にもおんなじようになってて、とりはずしたら、まっすぐきれいな剣みたいだった。

Img_3535 山頂の神社(箱根神社の元宮)へお参りして。かつてここにスケートリンクがあったという、昔の写真を見てたまげて。

Img_3529_2 それからロープウェーでまた降りてきたんだけれど、われわれと、もひとり、ここにしょっちゅう仕事でお客さんを連れてきているというバスガイドさん(お客さんたちより一足先に降りていくところだった)と、3人だけの貸し切りになったゴンドラ内で、「長く来てるけど、こんなに晴れ渡って遠くまで見はるかせたことは、初めて。いつも山頂あたりはガスが立ち込めてぜんぜん見えないんですよ、お客さんたち、もってますよー」と聞かされて、びっくり。ほんとにうつくしかったです。生き返る。

* * *

土星先生に弟子入りしている現在、なにか、しんとしている自分を見ています。

雪の野を見ているみたい。

Img_3583 まわりはいつもにぎやかだけど、今はノイズをなるべく減らして、静かにしてたい気持ちです。この雪の下から、なにかまた芽がでてきそうな気配が、すこし。

(写真の絵は、坂口恭平さんの絵。こないだまでまた東京で個展「アポロン」を開いてくださっていて、またお邪魔させていただいて。買わなくても写真撮っていいよーとおっしゃっていただいて、撮ってきた中の1枚。しみじみすき)。

伸びることと、めぐること。そのバランスだなーと。。ずっと伸び続けてなくていいし、ゆっくりめぐっていてもいいんだなって、おかげさまで思えています。

土星先生、植物先生、季節先生、みんなすき。




posted by な at 12:39| Comment(0) | 居心地よいところ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: